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翌日、午後になると僕たち1年生は体育館に集まって、部活紹介を受けることになった。
『文芸部でーす!私達は思い付くままの世界を小説として書く活動を中心としています!年に数回、出版社が主催するコンテストに応募することもあります!』
…中学時代に書いた黒歴史の小説を思い出す。痛い。そして痛い。頭痛も。
『美術部です!特に堅苦しいことはなく、漫画研究部と一緒になって好きなキャラクターを描くこともあります!』
…中学時代に描いた黒歴史のオリジナルキャラクターを思い出す。萌えない。だが燃えるように顔が熱い。熱でも出たようにすら感じる。
放課後は部活勧誘のチラシ配りの時間のようだ。
『硬式テニス部です!剣道部です!ラグビー部です!』
まぁチラシを受け取るくらいならいいかな。
『文芸部です!美術部です!吹奏楽部です!』
うへぇ、いくらなんでも手持ちのチラシがかさばってきたなぁ…。
「軽音楽同好会でーす!!!」
…うそでしょ。
「今年から!新しくなった!軽音楽同好会!あ、部員第一号の河西くーん!!!」
あー、もう!!!声が大きい!!!僕の心の中でのツッコミほどじゃないけど!!!
「昨日の課題、忘れてないよね!?それより今は、忙しい部長の私を手伝って欲しいんだけど!」
「うーん…わかったよ。でも、チラシが1枚もないのに、どうすればいいの?」
「チラシなら河西くんがいっぱい持ってるじゃん!」
「他の部活のだけどね。」
「それをまず渡してね!」
「渡して?」
「ちなみに軽音楽同好会に興味はありませんか?って訊くんだ!あ、ちゃんと考えならあるよ!」
「考えって?」
「河西くんなら、また無理だって断ろうとするでしょ?」
それはそう。
「まずは1枚!この吹奏楽部のチラシを誰かに渡せたらOK!」
「まぁ、それくらいなら…。」
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