これっぽっちの幸せが、

宵の空

Prologue

また朝が来てしまった

つくづくこう想う

朝が来なければいいのに





朝6時

私と母、そして義妹の3人分の朝食と

母の弁当を作る


それを食べ、朝6時半にひっそりと家をでる


今から学校に向うと、付くのは遅くて7時半

学校の開門は8時半からなのに




だから私は公園に向かう


10年前

本当の母と遊んだ公園へ



私の本当の母は10年前に亡くなった

癌だ 脳の癌

病気だからしょうがない

そんなの分かってる

だけど

やっぱりお母さんを恨んでしまう

お母さんが死んでからだ



お母さんが死んでから私は呪われている

不幸に愛されすぎている



親友が事故で亡くなって

お父さんが再婚して

その義母にはいじめられて

受験には失敗して

学校でもいじめられて


私はもう死んでいて

ここは地獄なんじゃないか

そっちのほうがまだマシだ


だって地獄は神様が決めた罰だもの

たまたま不幸が重なっただけよりかは

マシじゃない?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

これっぽっちの幸せが、 宵の空 @YOI-no-SORA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ