エピローグ
「此度はご苦労じゃった」
「よく頑張りましたね」
「ありがとうございます! お父様、お母様!」
お菓子の国に戻ったハッピーは、城の玉座の間で王と王妃と対面していた。
開かれた窓からは、すっかり元気を取り戻した城下町が見渡せる。
「おぬしのおかげで、国が救われたのじゃ。我が娘として誇りに思うぞ」
「お褒めの言葉、感謝いたします。ですが、お菓子の国を救うことが出来たのは、わたくしではなくメルトレンジャーのみんなが頑張ってくれたからですわ」
ハッピーは、別れを告げたメルトレンジャーの顔を思い浮かべながら言った。
たった数か月の間だったけれど、彼らには一生分の世話になったと思う。
ひだまり町も平和に戻り、本当によかった。
彼らが元気にしているといいなと思っていると、ハッピーが持っているコンパクトがぴぴぴっと音を立てた。
「あら、噂をすれば」
それは亜美花からの通信だった。別れるときに渡した魔法のコンパクトで、いつでも連絡を取れるようにしている。
「どういたしましたの?」
コンパクトを開くと、そこには困り果てた顔の亜美花が映っていた。
「ハッピー、助けて! またひだまり町にお菓子泥棒が現れたの!」
「なっ、なんですって!?」
亜美花の言葉に、ハッピーは目を見開いた。
彼らの会話を聞いて、王たちは背後から身を乗り出して様子を見ている。
「あの双子がいたずらしているんじゃありませんの?」
「ううん、それがまったく違う奴らなの! 一生懸命戦ってるんだけど、もう私たちも何が何だか……」
「い、今すぐに向かいますわ!」
ハッピーはコンパクトを閉じると、王たちを振り返った。
「お父様、お母様! そういうわけですので、わたくし行ってまいりますわ!」
「あぁ、気を付けるんじゃぞ」
「メルトレンジャーのみなさんによろしくね」
王たちに見送られて、ハッピーはばたばたと城を出て行った。
スイーツ戦隊メルトデンジャー 彩香音 @akane_novels
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます