第24話
「やっぱり俺にはさっぱりわからんのだよ」
「なにがすか、ツノダさん」
「オルサス!」
「ああ」
「ああ、ってなんだよ、ああ、ってお前、いろいろ報告してない事があるだろっ!」
「そうか? そうかなあ? 忘れちまったな」
「お前なあ、ほんといつも言うけどな、少しは俺の言うことを聞いてまじめに仕事をしたらどうなんだ?」
「まじめにやってるじゃないすか。ツノダさんの言葉はガンガン胸に響いてますって」
「なんだろうな、なんでこんなにばかにされた気がするんだろう?」
「気のせいっすよ、なんで俺がツノダさんをバカにしなきゃいけないんすか。もういいすか?」
「あ、ああ、そうか。そうだな、って違うよ。オルサスだよ」
「オルサスがどうしたって?」
「あれ、ハイアットなんだろ?」
「ああ、そうだったかなあ」
「そうだったかなあって、お前、わかってて言ってるだろ!」
「しょうがねえなあ。そうだよ、ありゃあハイアットだったんだよ」
「ほらっ! な。そういうことなんだよ」
「どういうことだよ」
「ってことはだよ、お前、あれ、ミイラ、動いてたの?」
「ああ、そうだよ。まあ、イッコが完全に燃やしたんだけどな」
「どうしてそういう大事なことを報告しないんだよ、お前、これ、どうすんだよ」
「どうにもできないだろ、いまさら」
「そうなんだよ、どうにもできないんだよ。これを報告し直すって面倒だしなあ」
「あんたほんと仕事したくないんだね。まあいいよ、帰ったら?」
「あ、そうだ。娘がな、ハルキ呼べってうるさいんだよ。来ない? うち」
「行かねえよ、なんであんたの娘の言うこと聞かなきゃいけねんだ」
「なんだと、ハルキ。うちの娘の言うことが聞けないっていうのか?! まさか、あれか、もう、お前! うちの娘に!」
「うちの娘になんだよ、五歳だろ? いいかげんにしろよ」
「いいや、許さん! うちの娘に手を出す奴はたとえ誰であろうと絶対に許さん!」
「あ、そういやあこないだ家に行った時、娘ちゃんな」
「え? 娘が? なんだ?!」
「ニッタのこと好きだって」
「なっ?! なんだとお!! おい、ニッタ! ニッタァ! どこだ?! どこ行きやがった?!」
「知らねえよ」
「呼んだっすか?」
「てめえ!! うちの娘に何してくれたんじゃ!」
「え? ああ、こないだ行った時に一緒に遊んだんすよ。かわいいっすよねえ、娘さん」
「ん? ああ、かわいいさ。そりゃあかわいいよ。で、お前、娘と何話したの?」
「ああ、大きくなったらお嫁さんになるって言われたんで、ありがとねって言っといたっす」
プロデューサー、ツノダの苦悩は続く。
※イレイサー:File05~07_帝都の聖蹟:指令があれば「憑きモノ」を「ないモノ」に消します。
https://kakuyomu.jp/works/16817330651284346461
KAC2023が始まってます!!
ということで、明日はKAC20232の投稿です。
KAC20232の投稿はお昼12時台にしたいと思ってます!
期間中、変則的な更新になります。
よろしくお願いします。
本作次回更新
2023/03/04 02:00
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