第20話

 ハッ!


 申し訳ありません。つい本音が漏れてしまいました。


 いえ、この公園の爆破については仕方ない部分もあるのだろうと思っているわけですよ。


 その後の展開を考えるとね。


 しかしまあ、当時はそのままにしておくわけにもいかなかったんですよ。


 んで、まあ例のイレイサーたちには国家情報保安局から依頼で遺体消失が起こっているペイドルの町に派遣することにしたんです。


 私はね、イレイサー襲撃事件に集中したかったんですよ、ほんと。


 それがペイドルで起こってる遺体消失事件に領主代理が絡んでてしかもそこにはファンドリールの社長も絡んでるなんて思わないじゃないですか。


 例のイレイサーは遺体消失は噂話を持ってきたイレイサーに任せて自分はファンドリールの方にばっかり関わっちゃったんですよ。


 指令を出した遺体消失の方を担当したイレイサーはまじめに仕事をしたそうです。いや、ほんと。いつもはわけのわかんない噂ばっかり集めてくるんですけどもね、この時は彼の生来の人懐こさが功を奏して、消失した家族と仲良くなったりして。


 ただまあどの家もどうやって遺体が消えたのかは全く分からなかったそうですが、これは後からオルサスと名乗る人物の仕業だってわかるんですが、ってこのオルサスってやつですよ。


 問題はこいつなんです。この後、こいつのせいでどれだけひどい目にあった事か、なんで私がファンドリールでこいつらに捕まらないと、っていけません。


 話がそれてしまいました。


 まあ、遺体消失はおそらくとある聖石の持ち主であるこのオルサスの空間魔法の仕業だろうという事が分かりました。


 本当にあるんでしょうか、空間魔法。


 それが本当なら大変です。アンドウに聞いてもさっぱり要領を得ないんですよ、訳の分かんない事ばっかり言って。


 まあそのオルサスがファンドリールと繋がってることなんてこの時点ではわかりませんから。


 で、例のイレイサーはファンドリールと領主代行が繋がってることを確認して領主代行から探りを入れたらしいんです。


 そしたらあなた、領主の息子は行方不明になってるわ、領主代行はファンドリールに操られてるわで、そりゃあもう大変だったそうです。


 あ、そうそう、おまけに帝都での事件を追わせていたイレイサーたちが情報を基に行きついたところが例のイレイサーのいるペイドルだったんです。


 もう笑うしかありません。


 どうしてこう奴らは引き当ててしまうんでしょう。


 まあ私が指令を出してるんですけれどもね。





※イレイサー:File05~07_帝都の聖蹟:指令があれば「憑きモノ」を「ないモノ」に消します。

https://kakuyomu.jp/works/16817330651284346461


 次回更新

 2023/02/26 02:00

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