File07_陸の孤島の遺体消失

第19話

 昨日、珍しく出張がありまして遠出をしたんですよ。

 そしたら、これがまあお酒も肴も美味しくて、ついつい飲みすぎてしまい、翌日の会議に遅刻しちゃって怒られてしまいました。


 いや、聞いてください。


 私はよそうって言ったんですよ、でもね、出張先の事務所の所長が、あ、この所長、サカオカさんって言うんですけどね、これがまた普段はとってもおとなしい人なのに飲んだら人が変わっちゃって、俺の酒が飲めないのかあ、なんて言うもんですからね、いやいやいやいや、ってなるじゃないですか、そこは漢、ツノダ、しっかりと付き合わせていただいたわけですよ。


 そしたら当日、サカオカさんは何食わぬ顔で参加してるわけですよ、まいっちゃいましてね、まあ私が悪いんですけど。


 あ、どうも、プロデューサーのツノダです。


 こんな事を書いている場合ではないんです。


 そうです、そう、あの事件です。


 例のイレイサー、いや、今回はもう、うちのイレイサー全員が関わっています。


 最初はね、例のイレイサーにとある用事を言いつけたんですよ。ファンドリールって会社の社長に封筒を渡してもらうだけのね。


 それがなんで公園を爆破することになるのか私には理解できませんし、それがなんでファンドリールの本社ビルを破壊することに繋がるのかもさっぱりわかりません。


 ああ、まずは公園爆破について、彼の報告を基に検証してみようと思います。


 報告書には、受け取った封筒に黒いモヤが集まり、それが骸骨の化け物に変わり襲いかかってきたという事でした。


 これには疑問が残ります。受け取った封筒は確かに旧帝国軍用の暗号が記された物でした。しかし、それになぜ憑き者が憑りついたのか、いつから憑りついていたのかわからなかったのです。


 何はともあれ、それに気づいた例のイレイサーは車を停め、公園で憑き者をイレイスする事になったのだそうです。


 しかし、あまりにも大きな憑き者だったらしく戦闘は困難を極め、最終的に公園までも爆破する事になった、のだそうです。


 納得がいきません。そんなわけないじゃないですか。封筒ですよ?


 それを何度尋ねても、例のイレイサーはちゃんと答えてくれませんし、その相棒はバスってなったっす、としか答えません。


 もう私には何がなんだかわかりません。


 そして私は局長であるヨシダさんにこっぴどく叱られることになるのです。


 覚えてろよ、ヨシダァ!!




※イレイサー:File05~07_帝都の聖蹟:指令があれば「憑きモノ」を「ないモノ」に消します。

https://kakuyomu.jp/works/16817330651284346461




 次回更新

 2023/02/25 02:00

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る