第66話ダンジョン素材でご飯を食べよう

 学校が終わって直ぐ、いつ頃ダンジョンの整備が終わるのか? また入っても良いかをダンジョン課職員の鳥山さん尋ねた。

「ダンジョンの整備はどうしても時間がかかるのよ……ダンジョンに入るのは、今お願いしている探索者が居るんだけど……その人が入った後の方が安全だとは思うわ。どうしても入りたいのであれば一声かけてくれれば計らうから……」

――――と言ってくれたので、その話を信じる事にしよう……


 幾ら小分けにして、冷凍保存しているとは言えども素人の管理している生肉……そろそろ腐っても不思議はない。

 ――――と言う事で今日は、モンスターの肉を調理して食うために休日としていたのだが……



「やほー! 遊びに来たよぉー!」



 そう言って遊びに来たのは、師匠の立花銀雪だった。



「何で来るんですか?」


「そんな硬いこと言わないの! ホラ食材だって持ってきたし一緒に食べようよ」



 この女性ヒトが突拍子もない事をすることぐらいは想定内だが、住所を教えても居ないのに、特訓の時の雑談程度でここまでくるのは流石に予想の遥か斜め上を行っている。

 あなたはどこの星から来たバカ王子ですか? と聞いてみたくなる。



「はぁ……まぁ良いですけど早速ですが作りますね……」



 先ず用意したのは、トード・シューターと言うカエル型のモンスターの太腿のブロック肉とニードルラビットと呼ばれる有角の兎肉。両者共に比較的安価なダンジョン産の食材として知られ、値段は国産の牛肉程度である。

 事前に調べた情報によると香草のような独特の香りに、魚と鶏肉を合せたような脂の少ない淡白な食材だと聞いている。

 取りあえず一口サイズにカットして、肉の皮を上にしてフォークをグサグサと刺して調味料が馴染みやすくなる。 


 そんな事を考えながらまな板の上で調理をしていると、「ねーおつまみくれない?」と酔っ払いが絡んで来る。

 冷蔵庫の中にスライストマトがあった事を思い出し、「はいはい」と生返事をして追い返す。台所で手を洗い皿に盛られたトマトの上に塩昆布とオリーブオイル、胡椒をかけたおつまみを作り来客用の箸を渡す。



「これでも食ってててください」



 そう言った立花さんは、どうやら高校野球を見ているようだ。



「ビール片手に高校野球を見るなんてオッサン臭いですね……」


「あ゛? 何か言った?」


いえ、なにもヴェッ、マリモ! 調理に戻りますね……」



 いそいそとその場を退散する。


 大体1キロ弱と言ったところか……ニンニクとショウガを同量(今回は15g程度)用意し擦り下ろす。出来れば生のモノが好ましいが、チューブで代用する場合は塩を少なめにすると塩辛くなくなる。

 醬油、みりんと料理酒を大さじ三杯、オイスターソースを大さじ二杯、そこにマヨネーズを小さじ4杯、旨味調味料を8振り、ナツメグ5振り、オールスパイス4振り、クミン2振り、黒コショウを4振り程度入れよくもみ込んで15~30分程度常温でおいておくとよりおいしくなる。理想は半日程度だが塩分が多いので好みの問題になる。


 今回は師匠きゃくもいるので付け時間なしで揚げていく……漬け時間が短いので今回揚げる分だけ取り出して白出汁を加えておく……


 片栗粉に水を少しづつ入れてダマを作る事で、ザクザクとした食感を演出する事が出来る。

 小麦粉で揚げたものが唐揚げなので、片栗粉を使っている時点で俺的には竜田揚げなのだが、世間的にはどちらでもいいらしい……せめてもの抵抗でジャガイモの粉ではなく、ユリ科のカタクリの根茎を使おうと思ったが高すぎたのでやめた。


 皮は脂が多いので女性には敬遠されがちだが、旨味の元でもあり食感も軽いものになるいわば、ゲームで言えば完全商法やDLC商法、曲芸商法と言ってもいいもの! 言わば強化版なのだ。

 皮が付いている奴は強いのだ……だからこの唐揚げはきっと強い……合計種族値476族でも恵まれた特性を持っていれば、最強クラスの働きが出来る事はあのカスが証明している。だから皮持ちは強い!


 取り分けた漬け肉に、小麦粉、とき卵を入れ水ぽさが減ったら片栗粉に漬けて油を張り暖めた油に入れ二度上げする。こうする事でカリッとジューシーな食感になる。

 兎と蛙を別々に揚げ千切りキャベツを中心にして別けて盛る。兎側には櫛切りのレモン、蛙側にはマヨネーズを添え完成だ。



「出来ましたよ」


「いい香りね……でもなんかエスニックな香りがする……前に行った持ち帰りのお弁当屋さんの唐揚げは、大〇漢方胃腸薬みたいな匂いの唐揚げがあったなぁ~」


「あれラーメン屋やってる企業の持ち帰り唐揚げ店なんですけど、やっぱり香辛料のせいで独特の香りしますよね」


「じゃぁ先ずは何も付けず、何もかけずに頂こうかな……」



 カリっと衣を突き破る音が聞こえる。


 

「美味しい。トード・シューターやニードルラビットの癖のある香りを香辛料がいい感じに調和させてる。オマケに醤油ベースの味が効いてて凄くいいわ。お酒やご飯が進む味! 流石アタシの弟子、料理上手! 絶対モテるわよ!」


「おしゃれな料理は出来ないので……それに料理を振る舞う程の関係のある女の子なんて師匠ぐらいしかいませんよ……」


「まぁそれもそうよね。コータローはアキバ系だし……」


「ヒトコブイノシシの生姜焼き焼きますけどどうですか?」


「コータロー愛してるぅ~!」


「はいはい。グラム幾らの愛ですか? あ、何枚焼きます?」


「3枚頂戴!」


「じゃぁその間、唐揚げでも食べててください」


「じゃぁ前に動画で見た、一回も作ったことないレシピ試したのでお願いしますね」


「え? まぁいいけど……」




============


【あとがき】


 まずは読んでくださり誠にありがとうございます!


 五月末まで分のストックが出来ましたが、もう10日分ぐらいストックが欲しい。4月21日時点。



※【アンケートと言うか募集】

 主人公などの《スキル》や《魔法》、武器の設定を募集します。

 ネタ不足という訳ではないのですが少し悩んでいる部分があるので募集させていただきます。

 コメント欄に書いていただいてもいいですし、活動報告欄に書いて頂いてもかまいません。

【一応キャラシート】


【名前】

【渾名・二つ名】

【歳】 

【性別】

【身長・体重・スリーサイズ】 

【性格】

【容姿】

【武器】

【防具】

――――――――――――――――――

【Lv.】

 力:I

耐久:I

技巧:I

敏捷:I

魔力:I

《魔法》

《スキル》 

――――――――――――――――――



★付きレビューコメントを頂けると、更新を加速するかもしれません。

レビュー文章が合計10個になりましたら翌日あたりに+1話更新をお約束します!


 あとセリフと地の文の改行を1行にするかに行にするかでも悩んでいます。ご意見有ればお気軽にお申し付けください。


 誤字脱字も多い事と思いますが、「コレ違うんじゃね?」と思ったりこっちの表現の方が良いと思う、などありましたらお気軽にコメントを下さい。更新中の作品のコメントは全て目を通しており返信もしておりますので、こういうストーリーがいいなどお気軽にお申し付け下さい。


読者の皆様に、大切なお願いがあります。

少しでも


「面白そう!」


「続きがきになる!」


「主人公・作者がんばってるな」


そう思っていただけましたら、

作品フォローと★星を入れていただけますと嬉しいです!

つまらなけば星一つ★、面白ければ星三つ★★★

読者の皆様が正直に、思った評価で結構です!


最新話か今表示している左上の✖ボタンを押していただきの広告バナー下までスクロールして頂くとそこから★とレビューを入れられます!


またコメントを入れて頂けるともっと嬉しいです。

作者のモチベーションが上がって最高の応援となります!

どうぞ、よしくお願い致します。m(__)m


作者の旧作もお勧めです。順番は新しい順です


ハイファン「魔剣士学院の悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めました。美味いメシと刀を作って自由気ままに暮らしたい。邪魔する奴は刀でぶった斬る」

https://kakuyomu.jp/works/16817330649742962025/episodes/16817330649866158494


ハイファン「フリーター転生。貴族に転生したけど、父は長男だが冒険者をしていたので継承権が低い件。俺は精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で、剣と魔法を極め公爵へと成り上がる」

https://kakuyomu.jp/works/16817330647772947762/episodes/16817330647877332453


ハイファン「公爵家から追放されたハーフエルフの俺は、序盤のイベントで勇者を庇って死ぬモブに転生したので、死亡フラグを回避する為に槍と魔術で最強になりました。俺はハーレム王になって新天地で領主として楽しく暮らしたい」

https://kakuyomu.jp/works/16817139557348161268/episodes/16817139557348902055

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