第5話

おばちゃんが亡くなったのは私が小学生になった頃だ。子供の記憶とは曖昧なもので、小学生の私はおばちゃんのことをすっかり忘れていた。本名すら知らなかった。


その知らせを聞いた瞬間――私の中の金属音に、おばちゃんの家の喧騒が聞こえてきた。

あの頃の――孤独で、静かな――ざわめき。


「オリコウ、オリコウ」


『ピーコちゃん』はおばちゃんが亡くなった数日後、空へ旅立っていった。

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ピーコちゃんとおばちゃん iori @kitaiori

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