第4話

私は四才になった。

知り合いもいない新しい土地では、母の『仕事』に連れて行かれた。


機械からジャラジャラと玉が出てくる音や流行の音楽やら何かわからない音が混ざり合ってガンガンと私の頭に鳴り響く。

台を打つ母の後ろで、画面に流れる数字を見たり、床に落ちている玉を拾うことが私の遊びとなった。

――煙草の臭いと蛍光灯の光、早口に何かを放送する店員、当たり外れに一喜一憂する大人たち


――キーン


私の頭は金属音で一杯になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る