転生者。ボールペンで儲ける!

夕日ゆうや

コオロギ男のボールペン生活!

 俺は転生した。

 コオロギから転生した。

 10才になり、近くの竹藪を探索していると、なんと地面からボールペンが生えているではないか!

 そのボールペンを集めると俺は露店を開き、中央広場。そこから外れた路地裏でボールペンの販売を行う。

 最初のうちは不気味がり、あまり売れ行きは良くなかった。が、突如売れ行きが良くなったのだ。

 たぶん、買っていったおばさんが口コミで広げてくれたのだろう。

 ありがたい話だ。

 帰ると竹藪の中を荒らすものがいた。

 コオロギだ。

 コオロギの集団がボールペンに集まり出す。

 え。ボールペンとコオロギって何か関係あるの?

 俺は疑問に思い、コオロギを観察する。

 竹藪の中に生えているボールペンは不思議なことにインクが満タンなのだ。

 コオロギは元気よく跳ね回る。

 俺もコオロギに戻りたい。

 人間みたいに難しいことを考えなくてすむ。

 たくさんのことを考えて辛くはないのだろうか?

 俺は辛い。

 物価高、燃料費の高騰、温暖化、異常気象、資源の枯渇、環境破壊、食糧問題、人口問題などなど。

 バカバカしいほど、自分で自分の首を締めている。

 おかしな話だ。

 俺はコオロギに戻りたい。


 俺は考えたくない。

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