第3話

温泉オーナーの紋次郎は来る日も来る日も女の人が温泉に入りに来ないかと待ち続けました。




しかし「女の人はおっぱいを見せてくれたら入浴料金はタダ」というシステムを変更しなかった為、女の人は待てども待てども全く来る気配がないのです。




紋次郎は雑貨屋さんで300万円で買った「物が透けて見えるメガネ」を握りしめて言いました。




「借金してまで買ったのに…」




女の人のおっぱいを見る為に買った300万円の「物が透けて見えるメガネ」ですが、あまりにも透けて見え過ぎるので肌を通り越して内臓が見えるだけです。



役に立ったのは温泉を掘り当てた時とGreen Dayのライブをライブハウスの外から見る事が出来た時だけでした。




紋次郎は久しぶりにメガネをかけてみました。




相変わらず人の内臓が丸見えです。



歩いている人の胃袋や腸が鮮明にタプタプと揺れているのが見えます。



その時、紋次郎の温泉によく来る常連のイタリア人男性のカットゥーソが歩いて来ました。



「ボンジョールノー。モンジロー。昨日飲ンダシャンパンモヴォーノダッタネ~。」



カットゥーソはお酒が大好きで毎日お酒を飲んでいる様子です。




そのせいで肝臓がボロボロになっている様子が紋次郎のメガネからはハッキリと見る事が出来ました。




紋次郎はカットゥーソが心配になり、こう言いました。




「カットゥーソや。肝臓がかなりボロボロだよ。きっと病院に行った方がいいよ。」




カットゥーソは次の日に病院に行きました。




肝臓がガンに侵されていました。




しかし紋次郎のおかげで早期発見が出来たので一命を取り留めたのでした。




カットゥーソには18才になるポッポーネという娘がいて、そのポッポーネが紋次郎を訪ねて来ました。




「モンジローサンノ オカゲデ アタイノオヤジガ タスカッタヨ!グラッツェ!」




ポッポーネはとても紋次郎に感謝をしている様子でした。




わりと人のよい紋次郎は「わざわざお礼なんかしなくていいのに」と思っていましたが、よく見るとポッポーネは巨乳の持ち主でした。プルンプルンとおっぱいが揺れていました。




たまらない気分になった紋次郎はポッポーネにこう言いました。




「お礼は君のそのおっぱいを触ら…」




紋次郎が話を終える前にポッポーネはグーで紋次郎の顔面を殴り付けました。




「ソレトコレハ話ガ別ダ。コノ変態イカレチン○!尻デモ舐メテロ!」




そう言い放ちポッポーネは帰ってしまいました。




鼻血を垂らしながら紋次郎は怒りと悔しさでいっぱいになり逆上したのでしょうか。


街に出て色んな女の人のおっぱいを触りまくりました。




触って触って、触りまくりました。




紋次郎の目は完全に狂気に満ちていました。




「おっぱい!おっぱい!おっぱい!!」




数人の警察に取り押さえられた紋次郎は留置場へ入れられて、2度と留置場から外へ出て来る事はありませんでした。




おっぱいを愛し、おっぱいに情熱を燃やし続けた人生でした。




その紋次郎の情熱がいつしか温泉を掘り当て、1人のイタリア人の命を救ったのです。





あなたはこれほどまでに何かに夢中になれますか?




あなたはこれほどまでに何かに情熱を燃やせますか?







私には無理です。







THE END






























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

暴走デザイア ミノビシャス @minokoshit

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ