王弟の決意
パーティーは好評でした。
うちのお料理は美味しいからね。
そして、夜。
パエルモ伯爵のお屋敷の一室。
僕とアーサーさんとパエルモ伯爵。
3人だけ。
パエルモ
「アキラ、
今日はありがとう。
美味しかったぞ。」
僕
「喜んでもらえて、良かったです。」
パエルモ
「さて、、、」
パエルモ伯爵の顔が真剣モードになる。
パエルモ
「アーサー殿下、
今後の展望をお聞かせ頂けますか。」
アーサー
「ふ~、
辛いな。
厳しい選択をせねばならないな。
既に看過出来ないほどの人数の貴族の身柄を押さえている。
バーバラを含め、彼らを解放するという選択肢はない。
私にとって、最も大切なのはペネロペとウィリアムが幸せに生きられることだ。
2人を命の危険にさらすような選択をするつもりはない。
エドワルド陛下には決断を迫るつもりだ。」
パエルモ
「どこまで迫るおつもりですか?」
アーサー
「あの血判状に参加した者、すべての処断。
それを求めるつもりです。」
パエルモ
「もし、陛下が反対したら?」
アーサー
「力をもって了承させる。」
パエルモ
「もし、陛下が禅譲を希望されたら?」
アーサー
「嫌なことを聞くな。
・・・陛下を諌めるよ。
私は王の器ではない。
もっと頑張ってくれと言うだけだ。
それで許してくれ。」
パエルモ
「失礼致しました。」
アーサー
「かまわん。
まずは王都だ。
王都では戦勝報告をしなければならん。
帯同を頼む。」
パエルモ
「承知致しました。
セージ団長はバレティアの事後処理で動けませんからね。
その穴を少しでも埋められるように力を尽くします。」
僕
「僕は?」
アーサー
「落ち着くまでペネロペとウィリアムを預かってもらっていいか?
2人が安全な場所にいる。
それだけで安心して動ける。」
僕
「わかりました。
まぁ、普通にしているだけだから、何かを手伝ってる感は何もないけど。」
アーサー
「それで十分だ。
安全が確保出来ればペネロペとウィリアムを迎えたいのだが、どうすればいい?」
僕
「満月亭でうちの従業員に伝えてもらえばいいですよ。話は通しておきます。
さてと、僕はそろそろ帰りますね。」
アーサー
「わかった。
協力に感謝する。」
パエルモ
「同じく、だ。
ジョシュアが成長出来たのもアキラのおかげだ。あのままオチョロイに心を完全に折られていたら再起不能になっていた。」
僕
「たいしたことはしてませんよ。
それじゃ、おやすみなさい。」
僕は満腹亭に戻った。
翌日。
アーサーさんとパエルモ伯爵たちは王都に向けて出発した。
パエルモ周辺の領から集まった兵士たちも地元を目指して出発していった。
パエルモは領主は引き続き不在だが、街は活気に満ちあふれていた。
色々と事後処理があるらしく、ジョシュア様たちは引き続き忙しいみたい。
でも、前みたいな嫌がらせはないから精神的にはマシそう。
満腹亭は平常運転。
臨時店員の『ベネ』も楽しそうに働いている。
アイラさんとマユラさんは子育て中。
アリエッタさんとリィズは妊娠中。
ルーシュさん、カミラさん、フィオはまだ身軽な状態。
ただ、うちの子育ては全員参加。
産んだ本人とそれ以外のメンバーでそれほど差をつけないスタイル。
大きな差はおっぱいが出るか、出ないか、ぐらい。
みんな順番に子育てに入る。
それがいいか、悪いかはわからないけど、自然とそんな流れになった。
育児は幸せもあるけどストレスもある。
子どもから離れる時間も大切だと思う。
元の世界なら保育所もあるけど、こちらではそんな施設もない。
だから、みんなで育児に取り組んでいる。
みんな初めてだから、全部手探りだけどね。
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