バレティア奪還
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今回はアーサー視点です。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
騎士
「申し上げます。
パエルモ卿の部隊が街門の突破に成功。
街に突入しております。」
アーサー
「そうか。
セージ団長の方はどうか?」
騎士
「こちらも通用口から突入しております。」
アーサー
「そうか。
追い詰められた相手は何をするかわからない。気をつけよ。」
順調だ。
さすがはバレティアの巨人。
アキラのようなイレギュラーを除けば、セージ団長率いる第2騎士団はリズムリア王国最強の戦力だ。
そしてパエルモ卿。
彼の騎士団も王国最強クラスだ。
規模は第2騎士団に比べて小さいが、精鋭がそろっている。
そんな両軍に奇襲攻撃を受け、パニックに陥ったバレティア駐留軍が相手になるはずもない。
難攻不落
それは城塞だけで成立するものではない。
そこを守る人間の力によって、初めて成立するのだ。
バレティアにいた貴族たちには指揮官としての能力はなかった。
そもそも作戦自体が穴だらけだった。
そして、その作戦がすべてバレている。
彼らが勝てる理由なんてどこにもなかった。
戦況は圧倒的に有利。
後はバレティア奪還も時間の問題だろう。
気をつけるのは逃げ出すネズミか。
アーサー
「バレティアから逃げ出そうとする者たちが出てくる。
包囲を密にし、逃がすなよ。」
そんな時、
フレデリカ
「ほう、
少しは骨のありそうな連中じゃないか。
ザコばかりで飽き飽きしてたところだったんだ。」
オチョロイ
「ひ、ひぃ!
お、お前たち、私をま、守るんだ!」
オチョロイを護衛の精鋭たちが取り囲む。
フレデリカ
「おいおい、
かかって来いよ!」
ドカッ、バキッ、ドコッ
フレデリカがどんどん倒していく。
逃げ出したいオチョロイ伯爵だが、護衛に囲まれ、単身逃げることも出来ない。
ドカッ、バキッ、ドコッ
ついに護衛たちが全滅する。
オチョロイ
「み、見逃してくれ!
礼ならいくらでもやる!
た、たの、ブベッ!」
しゃべっている最中のオチョロイ伯爵の腹にフレデリカの拳がめり込む。
そのまま倒れるオチョロイ伯爵。
周囲の兵士がオチョロイ伯爵を縛りあげる。
もはや逃げ出すことはできない。
バレティアの中枢に先にたどり着いたのはセージ団長だった。
そして、
そこにいたのは貴族たち。
オロオロするだけの者、
怒鳴り散らす者、
身勝手な指示を出す者、
なんの統制もない。
貴族
「ひっ!?
セージ団長、、、」
貴族
「ふざけるな!
さっさとなんとかしろ!」
貴族
「私を守るんだ!
褒美はやる!」
セージ
「無様だな。
残さず捕らえろ!」
セージの指示に従い、騎士たちが次々に身柄を確保していく。
しばらくすると、
アーサーもやってきた。
セージ
「中枢部の制圧、及び主犯格と思われる連中を確保しました。」
アーサー
「よくやってくれた。
こちらでも逃げ出そうとした連中の身柄を確保している。
バレティアを第2騎士団の管理下に戻す。
残党を掃討するぞ。」
指揮系統を失い混乱し、バラバラに動くだけの相手を掃討するのは簡単な仕事であった。
そして、投降する者が出始めると、雪崩をうつように投降してきた。
・
・
・
日没前には完全にバレティアを制圧した。
確保した者、投降してきた者、すべてを入れられるだけの牢はない。
貴族や将校は投獄し、一般兵は街の外で見張ることになった。
まずはそれぞれの身元の確認である。
貴族や将校が一般兵の中にまぎれ込んで、逃げ出すおそれもある。
また一般兵も逃げ出されると困るので、しっかりと見張りをする。
逃げ出した者は山賊などになり、周辺の村を襲ったりする可能性が高いからだ。
バレティアでの対応はセージ団長に一任し、アーサーやパエルモたちは更に東に向けて、明日朝には出発する予定だ。
次はパエルモだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます