パエルモ伯爵の手紙
僕
「パエルモ伯爵から書状を預かっております。家族みんなで読んで欲しいとのことです。」
僕は手紙をジョシュア様に渡す。
ジョシュア
「ありがとうございます。」
・
・
・
ジョシュア様、そして家族が手紙を読む。
ジョシュア
「ご迷惑をおかけしました。
オチョロイが増長したのは私の力不足が原因でした。
パエルモ領に不要な者たちはすべて追い出します。
ザバス。
屋敷の皆に伝えてくれ。
私は騎士団の詰所に向かう。
アキラ様、
同行をお願いしてもよろしいでしょうか?」
僕
「もちろん大丈夫ですよ。
ガウ、
ここにいる皆さんを守って欲しい。」
ガウ
『承知した。』
僕とジョシュア様は騎士団の詰所に向かった。
騎士団の詰所は酒臭かった。
昼間っから仕事もせずに飲んでいる連中がいる。
第1騎士団の厄介者たちだ。
本来のパエルモ騎士団の団員は真面目に仕事をしている。
騎士
「ジョシュア様!」
騎士
「どうされましたか?」
ジョシュア
「領主の代理として命じる!
パエルモ騎士団の品位を貶める輩は即刻クビとし、パエルモからの追放を命じる!」
パエルモ騎士団の目が輝く。
騎士たち
「「「はっ!」」」
騎士たちは慣れた動きで、酔っ払いたちを床に押さえつけ、縛りあげる。
酔っ払い
「何をする!
こんなことをして許されると思っているのか!
私はへルボー伯爵家の四男だぞ!」
ジョシュア
「家名に誇りを持っているなら、家名を汚さぬように行動をしなさい。
昼間っから酒を飲んで、方々で暴れて問題を起こす。
それのどこに誇りがある!」
酔っ払い
「ぐっ、、、
覚えてろよ!」
何も言い返せず、ただ捨て台詞を吐く。
ジョシュア
「私は一度屋敷に戻ります。
指示を皆に伝えてください。
それとまとまってから追放を行います。
とりあえずは縛りあげて、牢に押し込めてください。」
騎士
「承知しました。」
そこからのパエルモ騎士団の動きは速かった。不満や怒りが溜まっていたのもある。
また、まともに訓練すらしていない見かけだけの騎士など、相手にならないというのもある。
街のあちらこちらで一斉に確保が行われた。
そして役人たちも次々に確保された。
こちらもふんぞり返って偉そうにするのは得意だが、武器を突きつけられて、抵抗するほどの気概はない。
ザバス
「一通り、身柄は確保出来たかと。
いかがなさいますか?」
ジョシュア
「中身はともかく、肩書きは同じリズムリア王国の貴族やその家族。
あくまでも追放にしましょう。
街の西側。
それも商人たちの邪魔にならない、しかも、すぐには戻って来られない場所に解放しましょう。」
ザバス
「承知しました。
それでは馬車の準備を急がせます。」
ジョシュア
「お願いします。」
ザバスさんを見送るジョシュア様。
ジョシュア
「アキラ様。
本当にありがとうございました。」
僕
「たいしたことはしてませんよ。
それよりも、これからどうされるおつもりですか?」
ジョシュア
「あの連中にはバレティアを目指してもらおうかなと思っています。
バレティアはセージ団長含め、主要メンバー不在の空き家状態でしたから、オチョロイ伯爵と同じ派閥の者が占拠しているようです。もちろん、ちゃんと手続き上は問題ないかたちですけど。
王都に戻って援軍を連れてこられるよりも、バレティアに逃げ込んでもらった方が、我々としては助かります。」
僕
「そうなんですか。」
ジョシュア
「連合軍が勝利した以上、バレティアには連合軍が到着します。
それを追い返そうと思ったら、相当の戦力が必要です。
それを考えれば、バレティアの戦力を減らして、パエルモに向かわせるようなことはしないでしょう。
こちらも、パエルモの守りを固めますが、やはり人手不足です。
あまり戦力は用意出来ないでしょう。
なんとか父上の帰還まで、街を守ります。」
僕
「少しぐらいならお手伝いしますよ。」
ジョシュア
「ありがとうございます。
ですが、何から何までアキラ様に頼っていたら、父に叱られますよ。」
僕
「パエルモ伯爵も同じようにおっしゃってました。さすがですね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます