呆れるアーサー
アーサー
「・・・本気なのか?」
パエルモ
「残念ながら。」
ここは帝都の高級宿。
その一室。
部屋にいるのはアーサーさん、パエルモ伯爵、セージさん。
先日、バーバラ様の部屋に忍び込み、計画を確認。参加者の血判状も確保した。
当のバーバラ様はその時の記憶もないので、すべてバレているとはまったく思っていない。
だけど、計画が想像以上に大きかったため、僕の一存で動く訳にもいかず、
結局、アーサーさんたちに会うために帝都に戻ってきたのだ。
セージ
「アーサー殿下を殺す為とは言え、むちゃくちゃな計画ですな。」
アーサー
「エドワルド国王陛下がバーバラ様の提案を一蹴しているのが唯一の救いか。」
パエルモ
「エドワルド国王陛下を後に退けない状態にして、決断させるのも作戦のようですね。」
アーサー
「悪妻というのは、本当に身を滅ぼす原因になるな。
その点、ペネロペは良妻だ。
保護してくれたことに感謝する。」
僕
「のろけてる場合じゃないですよ。
どうします?」
アーサー
「アキラに正論を言われるとは、、、
だが、ふざけている場合ではないな。
陛下が重用した貴族たちの多数が参加しているぞ。」
パエルモ
「コペルニ子爵が投獄されたのも、この件を知って諌めようとしたところを捕まったのでしょう。」
セージ
「アルバンを過ぎた辺りで我々を襲撃。
バレティアを占拠し、我々の入場を拒む。
更に、アーサー殿下に謀反の疑いありとの流言を流す。
非常事態に対応しようと行動したら、それを謀反の証拠としてしまう。
バレティアに続き、パエルモも占拠され入れない我々は補給もまともに出来ず戦える状態ではない。
それっぽく聞こえるが、穴だらけの稚拙な策だ。」
アーサー
「だが、我々が勝利しても、リズムリア王国にとっては取り返しのつかない大きな損失になる。
そもそも争いになることを避けたいな。」
パエルモ
「厄介ですね。
この状況を戦争に突入させずに解決出来るのはエドワルド国王陛下だけでしょう。
しかし、解決するということは、バーバラ様を筆頭に身内の大半を処断することになる。
もはや、国王としての権威は地に墜ち、国家運営も自力では行えなくなります。」
アーサー
「・・・しかし、やるしかないな。
まずは、パエルモ卿のご家族だな。」
パエルモ
「アキラよ、
私の家族を集めて、これから書く手紙を読まして欲しい。
その時は多少強引な方法をとってもかまわん。
頼めるか。」
僕
「もちろん。
僕もオチョロイ伯爵にはイラッとしてるんで協力は惜しみませんよ。」
セージ
「心強い言葉だな。」
アーサー
「アキラ、暴れてやれ。
パエルモ卿のご家族の安全を最優先にしてくれ。」
パエルモ
「アーサー殿下、お気持ちは嬉しいのですが、アキラの場合はやり過ぎると大変なことになります。
煽り過ぎてはなりません。」
僕
「ひどい言われようだな~。」
アーサー・セージ
「「ハッハッハッ」」
2人とも笑ってるし。
パエルモ
「気を悪くしないでくれよ。
ジョシュアもいずれ領主を引き継ぐ人間だ。今回のことも出来る限りのことは自力でやってもらいたいんだ。
なんでもアキラに頼るようでは、領主としては失格だからな。」
僕
「わかりました。」
アーサー
「アキラ、
迷惑をかける。
我々も移動しながら鳥を飛ばす。
悪いが、いつでも連絡を取れるようにしておいてくれ。」
僕
「わかりました。」
アーサー
「それと、、、
ペネロペには心配ないと伝えておいてくれないか。
もうすぐ出産だ。
余計な心配はかけたくないんだ。」
僕
「了解です。
うちは他にも出産間近な妊婦がいますからね。出産に向けての準備はバッチリです。
心配しなくていいですよ。」
アーサー
「あぁ。
ありがとう。
心強いよ。」
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