ジョシュア様の受難

ペネロペ

「後先を考えずに、感情のおもむくままに嫌がらせをする。

バーバラ様らしいですわ。」


そこまで言って、ペネロペ様が考え込んだ。


「どうしたんですか?」


ペネロペ

「少し、、、嫌な予感がします。

王宮、特にバーバラ様の周囲を調べてみる必要がありそうですね。

少し調べてみます。」


「いいですよ。

僕が少し調べてみます。」


ペネロペ

「大丈夫ですか?」


「王宮に忍び込むのは得意なんで。」


ペネロペ

「それは存じております。」


ニコリと笑うペネロペ様。

散々勝手にアーサーさんの私室に入ってきたからね。






そして翌日。

さっそくパエルモ伯爵のお屋敷へ。


う~ん、

話で聞いたからかな、

なんか荒んでいる空気感がある。


いつもの衛兵さんも心なしか表情がピリピリしている。


タチアナ

「アキラ様!」


「タチアナ様。」


タチアナ

「お久しぶりです。

今日はどうされたんですか?」


「パエルモ伯爵が心配されてたから、様子を見に来ました。」


タチアナ

「父上が!?

父上と連絡がつくのですか?」


「多少時間がかかりますけど、出来なくはないですよ。」


タチアナ

「ジョシュアが限界です。

問題は山積み、

ザバスも過労で倒れて、

ジョシュアの負担が増える一方です。

私や母上も手伝っておりますが、

ジョシュアが可哀想で、、、」


「ジョシュア様はどちらに?」


タチアナ

「執務室で仕事をしていると思います。

ですがオチョロイ伯爵がいらっしゃるので、会うことは出来ません。」


「えっ?

どうして?」


タチアナ

「仕事の邪魔だと、入らせて頂けないのです。」


「むちゃくちゃだね。

う~ん、、、

まずはザバスさんのところに案内してください。」


タチアナ

「わかりました。」


タチアナ様に案内された部屋には眠るザバスさん。

顔色も悪い。


僕は禁術で回復させる。

顔色が一気に良くなる。


タチアナ

「すごい。」


「次に目覚めた時には元の体調に戻っているはずです。

まぁ、歳も歳だし、元気になっても無理はダメですよ。」


タチアナ

「有難うございます。

ザバスがいるだけで全然違います。」


「よし。

それじゃ、執務室に行ってきます。

ちょっともめるかもしれないから、1人で行きますね。」


タチアナ

「よろしいのですか?」


「僕はオチョロイ伯爵には嫌われているからね。一緒に会わない方がいいと思います。」


僕が息子のゲレーロを決闘で倒して、勘当することになったからね。

そりゃ、僕のこと嫌いでしょ。



そして単身、執務室へ。


コンコンコン


「なんだ?」


知らない男の声。


「アキラです。

ジョシュア様にお会いしたいのですが。」


少し待つ。。。


出てきたのはオチョロイ伯爵。


オチョロイ

「これは、これは、アキラ殿。

お久しぶりですな。」


ニヤニヤとしているオチョロイ伯爵。


「オチョロイ伯爵。

あなたにはなんの用もないので、そこを通して頂きたい。」


オチョロイ

「アポイントはおありかな?」


「ええ。」


オチョロイ伯爵の顔が歪む。


オチョロイ

「嘘はよくないですな。

ジョシュア殿のスケジュールは我々が管理しております。

そのようなアポイントはございません。

お引き取り願えますかな。」


「パエルモ伯爵とした約束です。

ご存知なくて当然です。」


オチョロイ

「そんな詭弁、通用しませんぞ。」


「パエルモ伯爵に許可を頂いています。」


オチョロイ

「では、パエルモ卿が戻られて、証言を得られたらお通ししましょう。」


う~ん、

やっぱり、言葉で勝つのは僕には難しいね。


「そもそも、なんの権限があって、ジョシュア様に会うのを邪魔するんですか?」


オチョロイ

「私は国王陛下のご命令でここにいるのだ。

私の邪魔をすることは陛下への反逆行為だと理解して頂こう。」


言葉で勝つのは難しいな~。

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