堅実な作戦

アーサー

「まさか勇者を連れてくるとはな。」


カルマール

「出来ることはすべてやりますよ。」


マサキ

「閃光の勇者マサキ、参戦します。」


アーサー

「マサキ殿の参戦、心から歓迎する。

魔王を倒すために力を貸してくれ。」


マサキ

「承知しました。」


アーサー

「さて、嬉しい誤算があったところで、戦いについて説明する。

まず、基本戦術は防衛だ。

魔王軍の攻撃を迎撃する。

当面はこちらから積極的に攻めはしない。」


スノーデン王国代表者

「消極的過ぎないか?

こちらから攻めた方が兵の士気も上がるぞ。」


アーサー

「魔族は強いですが、数は多くない。

魔族さえいなければ、ただのモンスターの集まり。いかに数が多くとも烏合の衆。

組織的に戦えば倒せる。

防衛ラインをしっかりと築き、守る。

敵戦力が前のめりになったところで、手薄になった後方にいる魔王を少数精鋭による奇襲で倒す。

それだけだ。」


レズン

「そう上手くいくのか?」


アーサー

「各国の選りすぐりを選抜して使うつもりだったが、事情が変わった。

勇者マサキ殿を中心にするべきだろう。

そこに各国の選りすぐりを同行させる。

人間の最高戦力と言っても良い。

そして魔王を失い、統率を欠くモンスターどもを倒す。」


デニム

「もし、精鋭による奇襲で魔王を倒せなかった場合はどうされるおつもりだ?」


アーサー

「その場合もやることは変わらない。

モンスターの数を減らさねば、万が一の場合、被害が大きくなる。

どっしりと腰を据えて、目の前のモンスターを倒し続ける。

そうすれば、最悪の事態になっても被害は最小化出来る。」


レズン

「作戦はわかった。

後は精鋭の選抜だな。」


アーサー

「それもリストアップしてある。

各国、このメンバーを出して欲しい。」


アーサーさんが各国の代表者にリストを見せる。

スノーデン王国のグエンさん、

リズムリア王国のフレデリカさん、

他にも数名が選ばれていた。


アーサー

「勇者マサキ殿とこの精鋭メンバーで魔王を倒してもらう。

魔王を倒すまでは我慢だ。

魔王を含む幹部は強い。

一般兵では歯がたたない。戦っても戦力を浪費するだけだ。

魔王討伐に成功したら合図を打ち上げてもらう。そこからは魔王軍の殲滅に入る。

魔族やモンスターどもは最後の1体になっても抵抗してくるだろう。

討ち漏らしの無いように注意してもらいたい。」


大筋は決まった。

他にも各国と連携や、約束事を決めていく。

アーサーさんは大忙し。


全体での会議は終了。

その後、アーサーさんはリズムリア王国軍のところにやってきた。


アーサー

「セージ団長、

リズムリア王国軍を任せたぞ。」


セージ

「防衛戦は第2騎士団が最も得意とする戦いです。

お任せください。」


アーサー

「パエルモ卿、

負担をかけるが、なんとか堪えてくれ。」


パエルモ

「セージ団長の足を引っ張らないように精一杯頑張ります。」


アーサー

「リズムリア王国軍が布陣するエリアは間違いなく激戦区になる。

東西ドバンやスノーデン王国、ジプート連邦などと比べれば、戦力の劣る我々だが、担う役目は重い。

リズムリア王国の武威を示して欲しい。」


セージ・パエルモ

「「承知しました。」」


リズムリア王国軍への指示を終えた後、アーサーさんは僕のところにやってきた。


アーサー

「アキラ、

勇者と精鋭を隠れ蓑に使って、魔王を倒して欲しい。」


「まぁ、

やれるだけのことはやってみます。」


アーサー

「個人的には勇者よりもアキラに期待しているんだ。頼むぞ。」


「頑張ってみます。」




そこから各国は所定の場所に布陣し、魔王軍を迎え撃つ準備を進めた。

障害物を設置したり、大型の弩や投石機を組み立てたり。


決戦はもう、すぐそこまで迫っている。

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