調整する国王

議場から各国の代表者たちが出てきた。

僕もパエルモ伯爵たちと一緒にアーサーさんたちが出てくるのを待った。


なかなか出てこない。


ほぼラストかな。

ようやくアーサーさんたちが出てきた。


パエルモ

「アーサー殿下、

いかがでしたか?」


アーサー

「ふ~、

私が連合軍の総司令官に就くことになった。」


パエルモ

「レズン皇帝とカルマール王も思い切った策を打ってきましたね。」


アーサー

「あぁ、あの2人にはめられたよ。

しかし、受けた以上は勝たねばならない。

皆も協力して欲しい。」


パエルモ

「はっ。

承知致しました。」


アーサー

「明日から決戦の地に向けて移動を開始する。私は連合軍全体の指揮があるので、リズムリア王国軍の指揮はセージ団長に任せる。パエルモ卿と協力して、戦果をあげてもらいたい。」


セージ

「承知しました。」


ネルソン

「この連合軍の指揮をリズムリア王国が執るのは偉業です。

アーサー殿下には感服致しました。」


ネルソン子爵は若干興奮気味だ。


アーサー

「偉業になるのは魔王軍に勝利してからだ。

これで無様に負けたら、世界中から笑い者にされるぞ。」


セージ

「我々連合軍の詳細、

魔王軍の見込み、

ガハラ平原の情報、

そういったものを頂ければ一緒に布陣を検討できるかと。」


アーサー

「助かる。

とにかくガハラ平原に向けて移動しながら各国と調整することになる。

なかなか難しい作業になりそうだな。」




僕はアーサーさんに付き従うことになりました。

まぁ、特にやることはないんだけど。


とにかく急いで移動。

その間に各国の布陣が決まり、そこを目指して移動するように指示が出た。


リズムリア王国軍は中央に位置することになった。アーサーさんが中央で指揮するから、その母体であるリズムリア王国軍は中央で決まり。

新生ドバン王国軍も同じく中央。

ドバン帝国軍が左翼。

スノーデン王国軍とジプート連邦軍が右翼。

以上が主力となる。

そこにその他の国が組み込まれている。

基本的にはドバン帝国との折り合いが悪い国は右翼。

比較的関係の良い国は中央。

ドバン帝国軍はもともと規模が大きいため、ほとんど援軍はなしというかたちでバランスを取っている。




そうして、続々とガハラ平原にたどり着いていった。

連合軍の規模が大きく、先頭と最後尾では時間差が大きい。


各国が配置につく前に、各国の代表者が集まることになった。

今後の作戦を共有するためだ。

本陣の予定地に各国の代表者が集まった。

まだ何もない空き地だ。


アーサー

「集まってくれて有難う。

今後の作戦を共有したい。

疑問点があればなんでも言って欲しい。」


カルマール

「アーサー殿。

本題に入る前に1つ報告しておきたいことがある。

よろしいかな?」


アーサー

「もちろんだ。

聞かせてくれ。」


カルマール

「今回の戦いで切り札の1つとなり得る人物を連れてくることに成功しました。

タイミング的に間に合うかどうか微妙でしたが、今日、合流出来ました。」


アーサー

「もったいぶらずに教えてくれ。

誰だ?」


カルマール

「失礼しました。

彼です。」


兵士に連れられて現れたのはマサキだった。


カルマール

「閃光の勇者、マサキです。

狂嵐のボウザーを倒した勇者です。」


ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ


デニム

「しかし、不動のエベレストに敗れて死んだのではなかったか?」


カルマール

「正しくは、

不動のエベレストとは引き分けた、です。

その時の傷がもとでエベレストは死んでいますからね。」


レズン

「しかし、幹部の不動のエベレストと引き分ける実力では、魔王相手の切り札とはならないのではないか。」


カルマール

「不動のエベレストとの戦いの傷が癒えた後はダンジョンに入り、更に強くなっています。魔王相手は未知数かもしれませんが、幹部相手なら十二分に活躍してくれるでしょう。」


やっぱり、勇者。

魔王との決戦には呼ばれるんだね。

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