いよいよ開始

アーサー

「ちなみに、アキラの感覚でいい。

グエンは魔王には勝てそうか?」


「無理だと思いますよ。

魔族って強いし、グエンさんは魔法とかも使えないから、一度戦い方を見られたら、すぐに対策取れちゃいますからね。」


アーサー

「なるほどな。

魔族を相手にするってことは相当大変な戦いだってことだな。」


セージ

「魔族との戦いは数で押し切るのが定石のようです。1対1で魔族とまともに戦える人間なんて、ごく少数ですからね。」


アーサー

「被害を受けることを前提に、集中攻撃を行う訳か。兵の練度が低ければ、一瞬で崩壊してしまいそうだな。」


セージ

「特に東側の諸国は魔族との戦闘経験がほぼございません。魔族の強さを見て、怖じ気づく兵も出てくるでしょう。

兵士を落ち着かせ、奮い起たせることが肝要です。」


アーサー

「そうだな。

第2騎士団に不安はないが、、、」


パエルモ

「貴族の寄せ集めでは、不利になれば簡単に総崩れになるでしょう。」


アーサー

「だが、それでも大事な戦力だ。

有効に使いたいな。」



その時、


アナウンス

『各国の代表者様は議場にお進みください。

入口が狭いため、押し合わず、順番にお入りください。

テーブルに各国のネームプレートを設置しております。50音順になっておりますので、ご着席をお願い致します。』


アーサー

「時間か。

では、行こうか。」


セージ・ネルソン

「「はい。」」


アーサー

「パエルモ卿、

ここは任せます。」


パエルモ

「承知しました。」


パエルモ伯爵が一礼する。


そして、アーサーさんたちは議場へ入る列に消えていった。




「暇になりますね。」


パエルモ

「は~、

アーサー殿下がここは任せるとおっしゃっただろ。

あれは各国と話をして、

情報収集をしたり、同調する国を見つけたり、そういう活動をしておいてくれ。

という意味だ。

まったく暇な訳ではないぞ。」


「僕は戦力にはなれなさそうなので、ゆっくりしておきますね。」


パエルモ

「そうしてくれ。」


言葉通りパエルモ伯爵は各国の居残り組と話を始めた。

他の国も同じみたい。

熱心に情報交換をしている。


僕は声をかけられたくないから、立食スペースで食べることに専念しておこう。

声をかけないでオーラを出すのは得意です。


ただ、立食スペースがしょぼい。

もう少しあってもいいと思う。

無理やり、パンでボリュームがあるように見せているけど、かなりさみしい内容だ。


まぁ、僕以外に食べようとしている人がほとんどいないから、これでいいのかもしれないけど。


グエン

「暇そうだな。」


「暇ですよ。

グエンさんも暇なんでしょ?」


グエン

「ああ。

私の仕事は戦場で魔族と戦うことだ。

ここに仕事はない。」


「僕のお店の護衛は大丈夫ですか?」


グエン

「心配いらない。

ちゃんと護衛担当を残している。」


「なら、良かった。」


グエン

「アキラはどの程度参加するんだ?」


「こっそり魔王を殺すだけだよ。

あっ、僕が強いことは内緒にしておいてくださいね。」


グエン

「さらっと、とんでもないことを言うな。

アキラが強いことはリズムリア王国の連中も知らないのか?」


「アーサーさんやセージさんは知ってるよ。

でも、知らない人の方が多いかな。」


グエン

「アイラは参加していないのか?」


「子どもが産まれてね。

今回はお留守番です。

他の店のメンバーもみんな来てないよ。」


グエン

「残念だな。

あの一団は相当の戦力になるはずだが。」


「まぁ、僕の従魔を連れてきているから、みんなの穴埋め以上には働いてくれるはずだよ。アイラさんより強いし。」


グエン

「従魔?

アキラ、お前、テイマーなのか?」


「テイマーみたいな感じかな。」


グエン

「テイマーであの強さ、、、

まだまだ私も修行が足りんな。

固定観念にとらわれている。」


グエンさんがなんか勝手に唸り始めてしまった。僕が置いてきぼりなんですけど。

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