大会議
翌日。
各国の代表者が集まり会議が行われる。
ただし、参加国が多いため、議場に入るのは各国3名までという制限がついた。
一部の国からは反発もあったみたいだけど、リズムリア王国としては従うつもりらしい。
参加するのはアーサーさん、セージさん、ネルソン子爵の3名になった。
当初、アーサーさんはパエルモ伯爵の参加を考えていたみたいだけど、ネルソン子爵がごり押しした。
まぁ、王様から派遣された監視役だから、大事な会議に参加していないのはダメだ、って強硬に主張していた。
セージさんは国際的にも有名だし、軍事面では主力だから、参加は固定だったみたい。
議場の手前に大きな待機スペースが用意され、僕やパエルモ伯爵などはそこで待つことになるらしい。
時間が近付いてきたので、僕らは宿を出発した。
そして、役人の案内に従い、議場前の待機スペースに到着。ここを抜けたら議場だ。
僕らが待機スペースに到着すると、
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ
会場がざわついた。
「あれが高名なアーサー殿下か。」
「隣にいるのが『バレティアの巨人』か。」
「やはり存在感があるな。」
リズムリア王国の注目度は高いみたい。
男の声
「アーサー殿下、セージ殿。
お久しぶりでございます。」
アーサー
「デニム将軍。
お久しぶりです。
将軍も参加しているとは心強い。」
デニム
「アーサー殿下やセージ殿とまた共に戦えることを嬉しく思います。」
デニム将軍はジプート連邦の武官。
けっこう歳はいってるおじいちゃんだけど、まだまだ現役って感じ。
『砂漠の覇王』なんて二つ名を持っている。
僕らとは先代皇帝のレギンから逃げる時に共闘した間柄だ。
「あの『バレティアの巨人』と『砂漠の覇王』が味方とは心強い。」
「魔王とてあの2人を相手に勝てるものか。」
「いや、さすがにあの2人がいても魔王を倒すのは容易ではないぞ。」
周囲は2人の名将の登場に沸いている。
デニム
「セージ殿は此度の戦をどう見る?」
セージ
「厳しい戦いになるでしょう。
人間同士の戦争とは違い、相手は魔族。
単体で戦況を変えるような存在がごろごろいる。有利な局面を作っても簡単にひっくり返される。」
デニム
「同感だ。
昔、魔族と戦ったことがあるが、1体でもとんでもない力を持っていた。
そして、今回は親玉の魔王まで来ている。
人数だけでは勝敗は語れないな。」
セージ
「寄せ集めの連合軍がどれだけ一致団結して戦えるか、それが鍵を握るでしょう。」
デニム
「そうだな。
そう考えると、この後の会議がどれだけ大切か、ということですな。」
そんな話をしていると、
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ
また会場がざわついた。
「スノーデン王国の一団が到着したようだぞ。」
「ジプート連邦や、リズムリア王国に比べると少し見劣りするな。」
「いや、あの男。
あれは世界最強とも言われるグエンだ。」
「あの『強過ぎた男』か!」
「我が国の武闘会でも、すべて一撃で優勝し、翌年から参加不可になったぞ。」
スノーデン王国の一団が僕らのところにやって来た。
スノーデン王国代表
「ジプート連邦の皆さん、
リズムリア王国の皆さん、
はじめまして。」
スノーデン王国の代表者は宰相らしい。
スノーデン王国代表
「我が国は世界最強の男、グエンを連れてきました。魔王相手でも存分にその力を示してくれることでしょう。」
グエンさんが僕らの方に歩み寄った。
グエン
「参戦するのか?」
小さな声で僕に質問をしてきた。
僕は軽く頷く。
それを見て、グエンさんは満足そうににやりと笑うと後ろに下がった。
すると、アーサーさんが小声で、
アーサー
「知り合いか?」
僕
「うちのスノーデン王国にある『別腹亭』の護衛をグエンさんの弟子にやってもらっているんです。」
アーサー
「そうか。
強いのか?」
僕
「フレデリカさんより、ちょっと強いぐらいかな。」
セージ
「なるほど。
世界最強との評判も正しいと言うことだな。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます