ボルトの市長
市長
「小国とは言え、国ですからね。
取引はきっちりとさせてもらいますよ。」
僕
「まぁ、貰えるなら有り難く頂きますよ。
有難うございます。」
市長との打ち合わせを終えた後。
まずは傾斜地へ。
ハナと一緒に棚田作りです。
すべて魔法。
大地を動かし階段状にしていく。
出来るだけきれいな階段状にしてしまう。
作業がしやすいからね。
一緒に用水路も作る。
ブドウ畑をするんだから、水を引っ張れないとダメだからね。
それと収穫を終えたブドウを傾斜地のふもとエリアに集めるための装置を用意しときたい。
重たいもんね。
傾斜地を人力で降ろすのは大変だ。
どうしよう?
土の整備や苗の準備などをハナに任せて、僕はブドウを運ぶ方法を考えることにした。
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水車を利用したベルトコンベアのような物を作ることにしました。
水の勢いを利用するから魔石などのエネルギー供給は不要。
回転寿司みたいに下りと上りのベルトコンベアが回り続けるので、荷物を山の上に引き上げるのにも使える。
ただ、動力源が水車だから、一度に運べる重さには限界がある。
発明スキルは便利だよね。
僕はそんなに物理も工作も得意じゃないけど、材料さえ用意すればすぐに出来てしまう。さすがに長距離のベルトコンベアは一発で作れないので、何回かに分けて作り、後で合体させる。
水車パーツも独立して作る。
余っていた家と水車を合体させて、水車小屋にする。
設置する前に地面を整えて固めないとね。
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没頭しちゃうよね。
気がついたら、かなりの時間が経過していた。水車利用のベルトコンベアは完成しました。
ハナに声をかけようと思って、棚田を見たら、大変なことになっていました。
僕
「ハナ!?
これ、、、」
ハナ
『・・・できた。』
そう。
出来ていたのだ。
ブドウの段々畑。
完成。
昨日まで山の斜面だったところが、既に広大な美しいブドウ畑になっている。
僕でもわかる。
完全にやらかした、ってやつだ。
ハナの仕事が速過ぎる。
仕方ない。
見なかったことにしよう。
うん。
それがいいね。
そして、翌日。
今日は避難民たちのキャンプに来ている。
フィオも一緒だ。
今日はラージスネークを使った料理教室兼炊き出しだ。
せっかくラージスネークを狩っても、それを美味しく食べられないと意味がない。
そこで簡単な調理実演を避難民の前で行うことにしました。
ポイントは2つ。
簡単に作れること。
それと安価で簡単に入る素材や調味料を使うこと。
そんな料理をフィオに実演してもらいます。
ちなみにリィズは満腹亭でお仕事です。
ラージスネークの肉は鶏のささ身やむね肉の親戚って感じ。さっぱりして淡白な味わい。
今日のメニュー
ポトフ
燻製
塩焼き
葉っぱの包み焼き
フライ
異質なのは『葉っぱの包み焼き』かな。
これはハンドル群島ではメジャーな調理法。
肉を大きな葉っぱで包んで火のそばに置いておく。
途中、向きを変えたりしながら待つと、蒸し焼きみたいな出来上がりになる。
水分の多い葉っぱに守られて、焦がさずに肉に火が入れられる。
しかも調理道具もほぼ不要。
たまたまラージスネークの群生地にフキに似た大きな葉の植物が大量にはえていたので試したのだ。
ちなみに、
取り分け作業は避難民の方から、数名手伝ってもらって行いました。
さすがに僕ら2人では無理だからね。
味はどれも好評でした。
ただ、燻製はお酒を飲みたくなる味だったみたいで、食べたお酒好きたちは苦悶の表情になっていた。
さすがに避難民はお酒なんて持ってないからね。
それと、避難民の中に、引退した元冒険者が数名いたため、ランドルから雇うのではなく、その元冒険者たちがラージスネークを狩ることになりました。
武器はボルトの兵士の物を貸し出し。
これで少しは食糧問題が緩和するかな。
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