避難民を助けよう
僕
「とりあえず、その場所を見てきます。
ここなら自由に使っていいんですね?」
市長
「もちろん、かまいません。」
僕
「じゃあ、何か使い道がありそうなら、また報告しますね。」
市庁舎を出て、そのまま3つの場所を見てまわる。
1つ目。
傾斜地だね。
確かに、このままじゃ使い道は無さそう。
棚田みたいにしたらどうかな?
ハナに手伝ってもらえば、棚田を作るのは難しくないと思う。
もちろん平地に比べれば大変かもしれないけど、ここをブドウ畑にすれば、かなりの生産量が見込める。
もちろん、ブドウ栽培に向いているかどうかも問題だけど。
今度、ハナを連れてこよう。
2つ目。
スライムの群生地。
不毛な岩場になっている。
この世界のスライムは不人気モンスターだ。
動きが遅くて弱いモンスターだけど、なんでも溶かしてしまう。だから、攻撃に使った武器がすぐに傷んでしまう。
スライムって本当に嫌われ者だね。
3つ目。
ラージスネークの群生地。
森のあちらこちらにヘビの塊がある。
近寄ると一斉に襲ってくる。
ラージスネークは全長2~3メートルぐらい。けっこう太い。
毒はないけど凶暴な性格みたい。
噛みつき攻撃と巻きつき攻撃が得意。
このヘビって食べられないかな?
それほど強いモンスターじゃないから、多少レベルの上がった冒険者なら十分に倒せる。
このヘビの肉を美味しく食べられたら避難民の食糧問題が改善するはず。
試しに数匹倒して持ち帰ってみた。
後日。
市庁舎を訪問。
市長
「いかがでしたか?」
僕
「多少は使えそうでしたよ。」
市長
「どこかに使える土地がございましたか?」
僕
「まず、こちらの傾斜地なんですけど。
僕に開墾を任せてもらえばブドウ畑を作れますよ。
多少不便でしょうけど、かなりの広さは確保できると思います。」
市長
「本当にあんな斜面でブドウ畑が出来るんですか?」
僕
「ええ。
もちろん、やってみないとわからないですけどね。」
市長
「ぜひ、お願いします。
毎年、収穫量に応じて税金を課していますが、それを報酬としてお支払致します。」
僕
「じゃあ、開墾しますので、どれだけの広さがあるかを見てもらって、何人の避難民を働かせるか決めてください。」
市長
「承知しました。」
僕
「それから、ラージスネーク。
あのお肉がけっこう美味しいんですよ。
ラージスネークを狩れば食糧として使えると思いますよ。
知り合いの冒険者ギルドのギルドマスターに聞いたら、Dランクの冒険者パーティーなら十分倒せるって言ってましたし。」
市長
「あのヘビを食べるんですか?」
僕
「ええ。
それにヘビ革も丈夫で伸縮性もあって、ちゃんと加工すれば色々な革製品を作れるみたいです。
うまくやれば革製品の販売なんかも出来るんじゃないかな。」
すべて冒険者ギルドのロイズさんと、コーラル商会のトマーシュさんの入れ知恵です。
市長
「う~ん、、、
この街はダンジョンのあるランドルに比較的近い立地です。
冒険者を呼び寄せることは出来ると思います。
しかし、ダンジョンでは毎日モンスターの革が大量に生産されています。
革製品の販売は難しいんじゃないでしょうか。ランドルとの競争力が違います。」
僕
「作る製品を変えれば活路はあると思います。ダンジョンだと防具に使う丈夫な革が重宝されます。
でも、そこまで丈夫さを求めず、扱いやすい日用品をターゲットにすればいいんじゃないですか。」
市長
「なるほど。
まずは避難民の中にDランク相当の実力を持つ者がいないか、革の加工技術を持つ者がいないか、調べてみます。」
僕
「ラージスネークの調理方法は調べておきますね。」
市長
「有難うございます。
革製品が販売出来ましたら、その売上からアキラ様の取り分をお支払いするように致します。」
僕
「律儀ですね~。」
別にお金はいらないんだけどな~。
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