パエルモ伯爵の過去
アーサー
「我々は明日にはパエルモを出発する。
そして、バレティアでセージ団長率いる第2騎士団と合流してそのまま新生ドバン王国に入る予定だ。
一応、ドバン帝国の帝都付近でアキラには合流してもらいたい。
レズン皇帝などにも顔を覚えられているからな。」
僕
「仕方ないですね。」
パエルモ
「今回の遠征には私も従軍する。
何かあったらなんでも言ってくれ。」
僕
「えっ!?
パエルモ伯爵も行くんですか?」
パエルモ
「仕方なかろう。
今回は西部貴族が総動員されている。
その管理をする人間が必要だろ。
それをアーサー殿下やセージ団長に任せる訳にもいかないからな。」
僕
「でも、戦場なんて大丈夫なんですか?」
アーサー
「アキラは知らないだろうが、昔、パエルモ卿は戦場で大暴れしたらしいぞ。
当時は『西部の暴れ馬』なんて呼ばれていたらしい。」
アーサーさんがニヤニヤしながら言ってきた。
パエルモ
「それは昔の話です。
もう昔のように前線で暴れるのは無理ですよ。戦場を離れて長いですからね。
フレデリカに守ってもらうだけですよ。」
僕
「なんか、フレデリカさんが大人しく護衛をするイメージないんだよな~。
強敵がいたら、突っ込んでいきそうな予感がするんだけど。」
パエルモ
「は~、
私も同じ想像をしているよ。
今回のリズムリア王国軍は第2騎士団と西部貴族の連合軍になる。
そうなると、第2騎士団に比べて西部貴族の連合軍は圧倒的に弱い。
フレデリカがいなければ、かなり厳しい戦いになってしまうだろうな。」
僕
「そんなに弱いの?」
アーサー
「特別弱いという訳ではない。
セージ団長率いる第2騎士団が世界トップクラスに強いんだ。
『バレティアの巨人』の評判はアキラも聞いたことがあるだろ。」
僕
「ああ、舞台でもセージさんの役の人は大暴れだったもんね。」
アーサー
「あれはお芝居だからな。
アキラは本物も見ているだろ?」
僕
「でも、そこまで強いかな~。
パエルモ伯爵の騎士団とそんなに変わらない気がするけど。」
パエルモ
「私の騎士団でも一部の精鋭は第2騎士団でも十分通用するだろう。アキラにも戦力増強を手伝ってもらったからな。
だが、騎士団全体や他の貴族の騎士団も含めれば練度の差は歴然だろうな。」
僕
「ふ~ん、
そういうもんなんだ。」
アーサー
「さて、それじゃ失礼するよ。
明日には出発だからな。」
パエルモ
「アキラが協力を約束してくれて良かったよ。ドラゴン千頭の援軍を得たようなものか?」
僕
「レッドドラゴン千頭じゃあ、うちの従魔1体にも勝てないよ。」
アーサー
「本気のアキラがどんだけ強いのか、見てみたい気もするが、、、
見たら絶対後悔しそうだな。」
パエルモ
「常識の遥か彼方なんだろうな。
正直フレデリカの強さでも規格外なんだが、そのフレデリカを瞬殺した訳だ。強さを想像も出来ん。」
僕
「まぁ、僕も最近本気で戦うようなことがないから、どの程度戦えるかもわからないんですよ。」
アーサー
「私としてはアキラが魔王に勝てることを祈るしかないな。
では、次はドバン帝国で会おう。」
僕
「はい。」
アーサーさんとパエルモ伯爵が帰っていった。
その日の夜。
満腹亭のみんなに今日の話を報告した。
アイラ
「魔王の強さはわからないが、力で魔大陸を支配しているんだ。並外れているのは間違いないだろうな。
アキラも油断したらダメだぞ。」
僕
「そうだね。
戦いの前にうちの従魔たち相手にトレーニングしようかな。」
マユラ
「街の近くではしないでよ。
余波だけで街が壊れそうだから。」
僕
「大丈夫だって。
ちゃんとダンジョンの深いとこでやるから。」
アリエッタ
「は~、冒険者やってた時には考えられない会話だわ。」
リィズ
「今回は長期でお店を離れることになりそうですね。」
僕
「そうだね。
留守の間はみんな、よろしくね。
と言っても、僕の出発はけっこう先になりそうだけどね。」
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