パエルモ伯爵からの相談
アイラさんは後日医者の診断で妊娠が確認された。
アイラさんはトレーニングが好きで動き過ぎる傾向があるから、マユラさんを監視役に指名。妊婦としては激し過ぎる運動をしている場合は止めることになった。
マユラさんじゃないとアイラさんを止められないしね。
そして、そのマユラさんとも妊活をスタート。同時期に妊娠、出産が重なると手が回らなくなるので、時期をずらしながら妊活を行うことにしている。
ちなみに、マユラさんの次はリィズ。
年齢順だとアリエッタさんになるんだけど、キッチンは2人しかいないから、リィズとフィオの時期は完全に分ける必要がある。
フロアチームとキッチンチームは別スケジュールです。
そんなある日。
パエルモ伯爵から、時間がある時に来てほしいと呼ばれました。
基本的に僕はフリーなので、すぐに行きますよ。
パエルモ伯爵のお屋敷はほぼ顔パス状態。
行けば、すぐに伯爵の状況を確認してきてくれる。
そのまま執務室に通された。
パエルモ
「呼び出してすまない。」
僕
「いえいえ。
いつもお世話になってますから、すぐに駆けつけますよ。」
パエルモ
「助かるよ。
さっそく本題なのだが。
以前に私とアキラの共同事業としてジャム工場をスタートさせたのは覚えているな?」
僕
「もちろんです。
評判も上々だって聞いてますよ。」
パエルモ
「その通り。
事業としては成功と考えている。
もちろん、初期投資を回収するにはもう少し時間が必要だがな。」
僕
「僕のところにも収益が振り込まれてました。なかなかの額ですよね。
ありがとうございます。」
パエルモ
「そこで、第二弾の事業を行いたいと考えているんだ。」
僕
「そうなんですね。
僕に声をかけたってことは食品関係ですか?」
パエルモ
「その通りだ。
まずは地図を見てくれ。
ここだ。」
パエルモの街の北部。
今はあんまり栄えていないエリアだね。
パエルモ
「ここが土地が痩せていてな。
比較的街に近いし、用水路も確保しやすいのに耕しても作物が取れない。
そんな場所だ。」
僕
「じゃあ、
僕の出番はないじゃないですか。」
パエルモ
「私もそう思っていたんだが、アカツキ王国から来た商人から『蕎麦』という作物を紹介されてな。
痩せた土地でも耕作出来るそうだ。
アキラはアカツキ王国の食品に詳しいだろ。
蕎麦を知っているか?」
僕
「もちろん知ってますよ。
基本はすり潰して粉にして、パスタのような麺にして食べるのがメインです。
独特な風味があって美味しいですよ。」
パエルモ
「さすがだな。
リズムリア王国でも売れそうか?」
僕
「蕎麦の実は持っているんで、いくつか料理を作ってみましょうか?
実際食べた方がわかるんじゃないですか。
もちろん、うちの料理人が作るから、他の人が作るより数段美味しいので、差し引いて考えてくださいね。」
パエルモ
「助かる。
出来れば数日待ってくれ。
街の商人を数名集めて声を聞きたい。」
僕
「わかりました。
いつでも出来るように準備しておきますので、そちらの準備が整いましたら、ご連絡をください。」
パエルモ
「宜しく頼む。」
蕎麦粉を使った料理か~。
ざるそば、かけそば、鴨せいろ、鴨南蛮、蕎麦がき、ガレット。
後は小麦粉の代用みたいなメニューかな。
パンとかポタージュとかもいいかも。
やっぱり蕎麦は二八蕎麦かな。
十割蕎麦は素人にはハードルが高いかも。
安定したのど越しと食感を求めるなら二八蕎麦な気がする。
実は以前にデジーマで蕎麦打ちを勉強させてもらったこともある。
リィズとフィオはある程度作れるようになった。もちろん、本職の職人とは差があるけどね。
帰ったら2人に相談しようかな。
週末を挟むなら、モルトさんやチーランさんにも協力してもらおう。
どんな料理が出来るか楽しみだな。
・・・僕は提供する側なんだけどね。
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