数日後

決闘から数日後。


まずはゲレーロ。

即日オチョロイ伯爵に勘当されたらしい。

そのまま身柄を拘束され、3日後にはだか踊りをさせられたみたい。

はだか踊りと言いつつ、実際は全裸で泣きながら王都を1周走ったみたい。

わざわざ見に行く趣味はないから、人伝に聞いただけだけどね。




そんなことより、ビックニュース!


アイラ

「少しいいか?」


「もちろん。

どうしたの?」


アイラ

「その、、、

できたみたいだ。」


「もしかして!」


アイラ

「ああ。

確証はないが。」


この世界にはCTスキャンもエコー検査もない。もちろん妊娠後期になればハッキリするけど、それまではあいまいだ。

専門の医者にでも診てもらえばわかるかもしれないけど、そんなに専門の医者がいない。

本人の自己申告ぐらいしかない。


それでも、


「やった!

すごいよ!」


アイラ

「まだ自信はないんだが。」


「もちろん、わかってるよ。

こればっかりはすぐにはわからないからね。

でも、体は大事にしてね。

あ、初だから勘違いでも気にしないで。

気になることがあったらいつでも言ってよ。

体調の変化に気をつけて。

あっ、仕事も休んだ方がいいかな?」


アイラ

「慌てるな。

まだ体調にはほとんど変化はない。

心配するな。

それに動かないのは性に合わないから、ギリギリまで働きたい。

理解してくれ。」


「ごめん。

ちょっと興奮し過ぎた。」


アイラ

「いや、アキラが喜んでくれて嬉しいよ。」


「ちょっと冷静にならないとね。

えっと、まずはお医者さんに診てもらおう。

それから、体は大事にしよう。

運動は良いけど、激しい動きは避けた方がいいかも。

ダンジョンは行かない方がいいよ。

後、お酒もダメだよね。」


アイラ

「そうだな。」


「あっ、そう言えば、この前の祝勝会、お酒飲んでなかったよね。

珍しいな~、とは思ってたんだよね。」


アイラ

「少し違和感があったからな。

念のため飲まないようにしたんだ。」


「そうだったんだ。

全然気付かなかった。」


アイラ

「だろうな。

ちなみに満腹亭の女性は全員知っているぞ。

私の変化を察して、マユラが代表して聞きに来たからな。」


「そうなの!?

僕以外みんな知ってたんだ。

教えてくれてもいいのに。」


アイラ

「女性はそういう変化に鋭いものだ。

アキラが気付くか、私から報告するまで黙っていてくれたんだ。」


「みんなも気を使ってくれてたんだね。

後で御礼を言わないと。」



うん。

最高だね。

まだドキドキが治まらないよ。

もちろん、まだ安心は出来ない。

この世界の出産は危険がいっぱい。

僕の力で全力サポートするけど、不安はある。

それでも、こんな僕がパパになる日のカウントダウンが始まった。

赤ちゃんを見たら何を感じるのかな?

未知の領域だ。

期待と不安が入り交じる。





妊活を始めてから、いくつか準備をしていたことがある。


サクラや家電などの発明品。

これで妊娠、出産、育児での人手不足問題はかなり解消出来た。


そして土地。

実は満腹亭の裏にあった屋敷を購入しました。老夫婦が住んでたんだけど、お金を積んで譲ってもらいました。

満腹亭は2階と3階が居住スペースになっているけど、子どもが何人か産まれると完全に手狭になってしまう。

だからこそ、満腹亭の裏に土地と建物を確保して、そこで子育てが出来ればいいかなって思っている。


現在、子育て用に改装工事中。

うちの場合、かなり特殊な育児になると思う。雰囲気としては保育園に近いかも。

複数の母親が自分以外の子どもも一緒に交代で世話をする感じ。

子どもが何人出来るかはわからないけど、母親は7人の予定だ。子どもの人数がかなりの数になる可能性はある。

広さには余裕を持たせないとね。

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