決闘のルール

バーバラ

「決闘は2週間後。

ゲレーロとアキラ、1対1で行う。

決闘の舞台は王都にある闘技場。

死亡や気絶などによる戦闘不能、または降参によって勝敗を決する。

武器は使用可能。

道具類の使用は不可。

以上で、いかがかな?」


ゲレーロ

「もちろん、問題ございません。」


「僕も、大丈夫です。」


バーバラ

「そして、勝者にはオチョロイ伯爵の娘、カミラとの婚姻を認め、敗者はカミラへの接触を禁止する。

いかがかな?」


ゲレーロ

「問題ございません。」


「拒否します。」


バーバラ様の顔が一気にくもる。


バーバラ

「ほう、私の提案に文句があると?」


「カミラ様は今、私と同居しております。

命を賭けて決闘を行うのに、勝っても得るものがございません。

そもそも、フラれたゲレーロ様と同じ条件では不公平です。」


ゲレーロ

「貴様!

貴様がカミラ様を拐ったのであろう。

そのような侮辱、許さんぞ!」


バーバラ

「まぁ、待て。

お前は勝った場合に何を望む?

商人らしく金か?」


「負けた方がはだかで踊りながら王都を一週する、というのはいかがでしょうか?」


オチョロイ

「まったくもってくだらん提案だな。」


バーバラ

「まぁ、待つのだ、オチョロイ卿。

民衆はそういうくだらなさを求めるのも事実だ。

アキラ、お前が負けた場合も当然、適用されるがいいのだな?」


「はい。」


バーバラ

「負けた場合のダメージが非常に大きくなるが、オチョロイ卿、ゲレーロ、

よろしいかな?」


オチョロイ

「御意にございます。」


ゲレーロ

「望むところです。」


バーバラ

「よし、決まりだな。

では2週間後、闘技場にて決闘を執り行う。

両者、悔いの残らぬように全力を尽くして戦うのだ。」


ゲレーロ

「はっ。」


その後、書面への署名を行い、王宮を出た。


は~、知らないよ。

はだか踊りなんて承知して。

ゲレーロは勝つつもりなんだろうけど、僕に勝つのは相当大変だよ。

どうするつもりなんだろうね。





そして決闘の前日。

満月亭にいる僕のところにバーバラ様の使者が来た。


使者

「バーバラ様は商人であるアキラ氏に特段のご配慮をくださった。

商人がしっかりとした訓練を受けた貴族に、1対1で戦うのはあまりに不憫だということで、商人の武器はカネ。カネで人を集めることであろう。

よって決闘を1対1ではなく、10対10の団体戦を行う。

本人及び9名の協力者による戦いだ。

このように変更してくださった。

バーバラ様に感謝するように。」


言うだけ言って使者は帰っていった。


エマ

「あら?

決闘の前日にいきなり団体戦に変更するなんて、お優しい王妃様ですね。」


ニコニコしているけど、

エマさん、怒ってるよね。


エリオ

「当然、ゲレーロ側は事前に知っていて、既に戦力を集め終えているんでしょう。

普通であれば、今日聞いて明日の決闘など、まともな人材は集められませんからね。

くだらない嫌がらせですね。」


セリス

「私を参加させてください。」


エリオ

「当然、私もです。」


「ありがとう。

順当にいけば、

満月亭から、

セリスさん、エリオさん。

満腹亭から、

アイラさん、マユラさん、アリエッタさん、ルーシュさん。

満面亭から、

テレサさん、ミソラさん、テーイチさん。

そんなところかな。」


エリオ

「順当な人選だと思います。」


エマ

「私も、エイッてしたかったのにな~。」


セリス

「エマは戦闘職ではない。

本職に任せて。」


エマ

「セリスちゃん、お願いね。」


「じゃあ、僕は残りのメンバーに声をかけてくるよ。」


お店の転移システムを使って、まずは満腹亭。


みんなを集めて、事情を説明した。


マユラ

「姑息なことをしてくるね。」


アイラ

「だが、私たちに戦う機会を与えてくれたことには感謝しないとな。」


全員ギラギラしてる。

やる気満々だ。


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