決闘
僕
「決闘って何をするの?」
カミラ
「やり方は色々あるみたいですけど、基本的に戦うってことは間違いありません。
個人戦なのか、団体戦なのか、そういう違いはありますが。」
僕
「辞退は出来ないの?」
カミラ
「普通は無理です。
まぁ、普通は商人相手に決闘など申し込まないんですが。」
僕
「そっか~。
とりあえず、みんなに情報共有だね。」
みんなを集めて客席に座ってもらう。
そして、先ほどの状況を説明する。
マユラ
「とんだ災難だね。」
ルーシュ
「もう立会人は決まっているんでしょうか?」
僕
「立会人って?」
カミラ
「決闘を行う場合、
当人同士だと話がまとまらないことが多々あります。そのため、中立の第三者を立会人として、決闘のルール決めなどを行ってもらうのです。
ただ、実際は中立の第三者ではなく、文句の言えない格上の貴族が立会人を務めます。
おそらく、オチョロイ伯爵の伝手を使って有力貴族に立会人を依頼するのではないでしょうか。」
アイラ
「こちらが先に動いて、有利に進めることは出来ないのか?」
カミラ
「難しいでしょうね。
なにせオチョロイ伯爵は国王陛下の側近です。もし私たちがアーサー殿下を担ぎ出したとしたら、最悪の場合、オチョロイ伯爵が国王陛下を引っ張り出してくる可能性もあります。それを考えて、アーサー殿下はお受けされないでしょう。」
僕
「じゃあ、受けるしかないのかな~。
これからどんな流れになるの。」
カミラ
「まずはゲレーロが立会人を指名して、それを立会人が受諾。
対戦相手はそれに異議があるかどうかの確認があり、問題がなければ受け入れる。
その後は立会人が進行を行いますが、
概ね、決闘のルール、双方の要望を確認して、決闘という流れになります。」
僕
「とりあえず、パエルモ伯爵に報告しとくよ。もしかしたら、何か対策があるかもしれないし。」
カミラ
「申し訳ございません。」
カミラさんが頭を下げる。
僕
「カミラさんは謝らなくていいよ。
とりあえず、回避出来ないか考えてみて、やるしかないなら倒すだけだし。」
カミラ
「有難うございます。」
とりあえず、解散となった。
僕はパエルモ伯爵に報告だね。
満腹亭を出てパエルモ伯爵のお屋敷に向かう。衛兵も僕の対応には慣れたもので、パエルモ伯爵が在宅の時はすぐに中に入れてくれる。
後はすぐ会えるか、
ちょっと待つか、
のどちらか。
今日はそのまま執務室に案内してくれた。
パエルモ
「今日はどうしたんだ?
何かトラブルか?」
若干諦め顔のパエルモ伯爵。
僕
「すいません。
トラブルです。
オチョロイ伯爵の息子のゲレーロから決闘を申し込まれたんです。」
パエルモ
「なっ!?
・・・オチョロイも悪手を打ったな。」
僕
「決闘を回避することって出来ませんか?」
パエルモ
「う~ん、、、
難しいだろうな。
オチョロイがエドワルド陛下の側近でなければ、アーサー殿下の力を使えたんだがな。」
僕
「じゃあ、決闘は避けられないってことですか。」
パエルモ
「そうだな。
まぁ、普通に戦えばアキラが負けることはないだろうが、どんな手段を使ってくるかわからん。
用心はしておけよ。」
僕
「わかりました。
そう言えば、今回の決闘にベルフォーム伯爵は関係しているんでしょうか?」
パエルモ
「おそらく、関与していないだろうな。
カミラ嬢がオチョロイの息子と結婚するのは、もちろんメリットがある。
だが、アキラのところにいるのも決して悪くはない。アキラがアーサー殿下やセージ団長、私と関係が深いのは一部では有名な話だ。リズムリア王国の西部に、細いとは言えパイプが出来るのは悪いことではない。
ベルフォーム卿は馬鹿ではない。
おそらく娘との関係改善を考えているはずだぞ。」
僕
「まぁ、僕は関わるつもりはないけど、親娘関係は改善して欲しいね。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます