発明するぞ

マッソンさんのことは忘れよう。

後はあの人次第だと思う。

正直、スキル無しでもレベル100のステータスがあれば、たいていのことは出来る。

元々スキルも使ってなかった訳だし。

他の漁師と比較しても力も素早さもすべて上。真面目に働けば今より断然良い生活は出来るはず。

後は本人の気持ち次第でしょ。




よ~し、発明だ。

まずは食器洗い乾燥機だね。

この『発明』というスキルは、完成品をどれだけ明確にイメージ出来るかが重要みたい。

これは異世界人向きのスキルだね。

なにせ、完成品を明確にイメージ出来るからね。


まずはキッチンで食器洗い乾燥機を置くスペースを確認する。

そこからサイズは逆算だね。

温水と洗剤、水流で汚れを落とす。

強過ぎると食器を傷めるし、弱いと汚れが落ちない。

後は乾燥。

乾かすというより、水滴を吹き飛ばすイメージかな。


動力は魔石。

この世界の動力は基本的に魔石だ。


そして、必要な素材を用意する。

多いのはモンスターの素材だね。

もちろん、僕は用意出来ますよ。

なにせモンスターチームが暇な時はダンジョンで狩りをしまくるので、売れないモンスターの素材が山のようにある。


必要な素材を1ヶ所に集めて、

スキルを発動!


魔力をほんの少し注ぐと、

目の前に食器洗い乾燥機が出来ていた。


うん、

これは反則級だね。


タンクに水を入れて、

洗剤を入れて、

魔石を供給する。


これでいつでも使える状態になった。

とりあえずマジックバックに入れておこう。


このペースならえげつないスピードで家電が仕上がりそうだ。


けっこう面白いね。

素材を集めて、スキル発動でまったく新しい物が完成する。

これはハマるかも。


それから数日。

発明、発明の毎日でした。

便利な家電が大量に完成しました。


ん?

電気じゃなくて、魔石で動くから、家電って言っていいのかな?

家魔?

語呂が悪いね。

とりあえず、家電でいいか。




夕食の後。

食卓にて。


「発明品が完成したからお披露目したいんだけどいいかな?」


アリエッタ

「ついに完成したんだ!

見たい、見たい。」


マユラ

「はやく見せてよ。」


僕はマジックバックから食器洗い乾燥機を出した。


「今使った食器とかコップをこの中に入れてみて。」


みんなが食卓にあった汚れた食器やコップをすべて中に入れる。

そして蓋を閉じて、ボタンをポチ。


「これだけ。

次に開けた時にはきれいになっているはずだよ。」


アイラ

「これだけできれいになるのか?

すごいな。」


ルーシュ

「さすがアキラ様。

これなら大幅に時短が出来ますね。」


「でも、これだけじゃないんだ。」


リィズ

「他にも発明品があるんですか?」


「これを見てよ。」


僕は洗濯機をマジックバックから取り出す。


フィオ

「こちらはどういう道具なんですか?」


「さっきのはお皿をきれいにしてくれて、これは洋服をきれいにしてくれるんだ。

脱いだ洋服を入れて、ボタンを押せば、洗って乾燥までしてくれるよ。」


マユラ

「えっ、乾燥までしてくれるの?」


「そうだよ。

まぁ、天日干しが出来る時は、洗うだけにして、干すことも出来るよ。」


アリエッタ

「この2つがあれば、大幅に時短になるね。

これならフロアが3人減ってもなんとかなるかな。」


カミラ

「これが出回れば家事の革命がおきますよ。」


「出回ることはないかな。

僕しか作れないし、流通させるつもりはないからね。」


アイラ

「ありがとう。

妊娠、出産での労働力不足もかなりカバー出来そうだな。」


「実はまだ発明品あるんだよね。」


アリエッタ

「何品作ったのよ。」


アイラ

「戻ってきて数日だろ。

そんなに作れるものなのか?」


「なんか勢いに乗っちゃってさ。

止まらなかったんだよね~。」


カミラ

「見るのが恐ろしいですね。」


「このペースだと時間がかかり過ぎるから、ここからはスピードアップするよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る