占おう
翌日。
まずはデジーマの満面亭へ。
そこからはいつも通り飛んでいく。
今回はガウに同行してもらっている。
初めての場所に行く時にガウがいてくれると助かるんだよね。ガウの姿を見て変な連中が近寄ってこないからね。
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遠いね。
デジーマからはかなり距離がある。
退屈な飛行を終えて、ようやく到着。
まずは宿屋へ。
宿屋の女将
「あら、いらっしゃい。」
僕
「泊まりたいんだけど部屋空いてますか?」
宿屋の女将
「大丈夫ですよ。
お客さんも占い目当てかい?」
僕
「はい。
人探しをお願いしたくて。」
宿屋の女将
「並ぶのを覚悟しておきなよ。
ひどい時は2日間ぐらい待つらしいからね。」
僕
「は~、仕方ないですね。
頑張って並んでみます。」
翌朝。
女将さんの言葉通り、なかなかの行列でした。だいたい並んでいるのは貴族や商人の使用人ばっかり。
占いを受ける本人は直前に呼ばれて列に入っている。本人がずっと並んでいるのは僕ぐらいかもね。
ガウとじゃれあったり、ガウに埋もれて昼寝したり。それでもなかなか進まない。
あまりに暇だったので、夕方にはリアカーに魔動コンロを乗せて、焼き鳥とおでんの簡易屋台を作り、営業を実施した。
順番待ちの人
「凄い香りだな。
この焼き鳥、
ももをタレと塩を1つずつくれ。
ハツのタレ1つ
つくねも旨そうだな、1つくれ。」
僕
「はい。ちょっとお待ちくださいね。」
順番待ちの人
「この煮込み料理も旨そうだな。
具材はどれがオススメだ?」
僕
「大根、たまご、こんにゃく、ちくわ、牛すじなんかもオススメですよ。」
順番待ちの人
「酒もあるのか?」
僕
「ありますけど。
飲み過ぎて本来の目的を忘れたり、喧嘩したりするのはなしですよ。」
順番待ちの人
「もちろんだ。」
そして夜。
結局、僕の順番まで回ってくることはなく、本日の営業は終了した。
僕も屋台をやっただけで1日が終わっちゃったね。久しぶりにこういう営業も楽しかったからいいけど。
後片付けをしていると、
占いの館の従業員さんが声をかけてきた。
従業員
「すまないが、少しだけ時間をもらえるか?
アイコ様が会いたいそうだ。」
僕
「いいですよ。」
従業員さんに連れられて屋敷の中へ。
アイコさんがいた。
アイコ
「すまないね、呼び止めてしまって。」
僕
「いいですよ。
宿に戻るだけだったんで。
僕に何か用ですか?」
アイコ
「何か食べる物は残ってないかい?
あれだけいい匂いを嗅がされると私も食べたくて堪らなくなってね。」
僕
「ああ~、
すいませんでした。
焼き鳥の匂いはきついですよね。
用意は出来ますよ。
焼き鳥以外でも食べたいものがあればすぐに用意しますよ。」
アイコ
「本当かい!?」
僕
「僕のマジックバックにいろいろ入ってるんで、たいていの料理は作れると思いますよ。」
アイコ
「うな重は出来るかい?」
僕
「出来ますよ。
ただ、継ぎ足し継ぎ足しの秘伝のタレ、とかじゃないんで、そこはご理解くださいね。」
アイコ
「あんたも異世界人かい?」
僕
「ええ。
この世界では飲食店のオーナーをやってます。」
アイコ
「なるほどね。
それで、そんなに食材を持っているのかい。
それと、、、パフェ!
パフェは出来るかい?」
僕
「大丈夫ですよ。
ちなみに、フルーツ系とチョコ系、どっちが食べたいですか?」
チョコってさ、美味しいけど、入れると買っちゃうんだよね。何を楽しみたいかによって変わってくる。
アイコ
「フルーツは何が用意できるんだい?」
僕
「いちご、バナナ、メロン、パイナップル、マンゴー、そこら辺の王道果物はあるから、昔ながらの喫茶店風パフェにしましょうか?」
アイコ
「本当に!?
是非、お願い!」
そこから、さっきまで焼き鳥を焼いていたコンロでうなぎの蒲焼きを焼いていく。
これは屋外でやってます。
さすがに匂いと煙がすごいからね。
アイコさん以外にも従業員さんたちのも用意する。この従業員さんたちはアイコさんの護衛がメインらしい。だから同居しているんだって。
僕
「これ山椒ね。
かける量は自分で調整してくださいね。」
みんながうな重を食べている間にパフェにとりかかる。
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