解決策
その日の夕方。
マヘリア
「修理は1週間で終わるみたい。
修理が終わったら帰りましょうか。」
マヒル
「わかりました。
修理が終わるまではどうしますか?」
マヘリア
「せっかくだから、何件か商談するつもり。
仕入れもしたいし、販路も拡大したいところね。
アキラ君はどうする?」
僕
「僕は帰ろうかな。
大丈夫?」
マヘリア
「大丈夫よ。
ヒナタがいるから帰りは一瞬だし。
本当にありがとうね。」
僕
「いえいえ。
マヘリアさんのお願いは出来る限りお応えしますよ。
なんと言っても、この世界に来て、最初に助けてくれた恩人ですから。」
マヘリア
「ハハハ、そんなこと言ってるとバンバン頼んじゃうよ。」
僕
「お手柔らかに。」
その後、マヘリアさんは今回の依頼の報酬を渡してくれた。たぶんだけど、かなり割り増ししてくれていると思う。
実働日数から考えると破格かな。
それを言うと、
マヘリア
「普通はAランク商人をただの足代わりに使うことなんてあり得ないから相場なんてないんだけど、普通の冒険者や商人と同じ日当って訳にはいかないでしょ。」
だ、そうです。
別に気にしないんだけど、貰えるものはもらいますよ。
そして、みんなと別れて僕は帰宅しました。
今回の一件でいいことを思いついた。
それは満腹亭の妊娠、出産、育児に伴う人手不足問題。
それを解消、とまでは言えないけど、緩和する方法を思いついたんだ。
『発明家』だ。
発明家に家電製品を作ってもらおう。
今考えているのは、
食器洗い乾燥機、
洗濯機、
掃除機。
皿洗いって意外と手間なんだよね。
僕がいる時は手伝うけど、普段はフロアメンバーの誰かがやっている。
つまり、これを自動化出来れば、人手が減っても対応できるんじゃないかと思っています。
問題は僕が『発明』というスキルを持っていないということだ。
たぶん、『発明』はかなりレアなスキルなんだと思う。
僕の持っているスキルの数は凄いことになっている。嫉妬のおかげでバンバンスキルを覚えていった。近くにいるだけでスキルを覚えてしまうからね。たぶんパエルモにいるすべての人のスキルを覚えていると思う。
さて、そのレアな『発明家』をどうやって見つけるか。
そのヒントはマサキの話にあった。
アカツキ王国ニノーヘにいる占い師アイコ。
占いで人探しが得意らしい。
この人に発明家がどこにいるかを占ってもらおう。
どこにいるかさえわかれば、僕ならすぐに会いに行けるはず。
その日の夜。
僕
「明日からアカツキ王国のニノーヘに行ってくるね。」
アリエッタ
「ニノーヘ?」
僕
「そう。
ニノーヘにいる占い師に会いに行こうと思って。」
ルーシュ
「どなたか人探しですか?」
僕
「実はね・・・」
みんなに発明家を探して家電を作ることを説明した。
リィズ
「お皿を洗ったり、洗濯したりが全部しなくてよくなるんですか!?」
フィオ
「想像出来ませんけど、アキラ様がおっしゃるなら可能なんですよね。」
僕
「まだ出来るかどうかはわからないよ。
でも可能性としてはあると思うんだよね。」
アイラ
「ありがとう。」
僕
「まだ絶対できるって決まった訳じゃないからね。発明家のスキルについては未知数だからね。」
アイラ
「アキラが真剣に考えてくれていることが嬉しいんだ。」
そんなまっすぐ言われると照れるよ。
これはなんとしても成功させないとね。
僕
「今回は発明家の居場所を探すって段階だからね。うまく居場所がわかれば、すぐに会いに行こうと思っている。
でも、もしかしたら現在ゼロ人かもしれないし、発明家がいてもなんでも作れるとは限らないしね。」
マユラ
「まぁ、気楽に行っておいでよ。
気負う必要はないからね。」
僕
「ありがとう。」
さぁ、明日から出発だ。
どうなるかな?
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