街を散策
その後、マヘリアさんとヤリスさんが細かい段取りを打合せしてその日は終了しました。
僕らは宿に入って。
僕
「これからどうするんですか?」
マヘリア
「明日、職人が壊れた魔動車をチェックしてくれるの。それで修理にどれぐらい日数が必要かわかるから、それからスケジュールを決めるつもりよ。
さすがに新車をここで3ヵ月も待つのは時間の無駄だから、新車は次に訪問した時に受け取るつもり。」
僕
「じゃあ、明日の打合せ終わってから考えましょうか。」
マヘリア
「ミレイは私と一緒にお願い。
ヒナタとマヒルはアキラ君と一緒に観光でもしてきて。
アキラ君の飲食代はコーラル商会の経費で出しといて。」
僕
「ありがとうございます。
この前、会談でこの街に来たんだけど、自由時間が全然なかったからね。」
ヒナタ
「この世界のトップクラスの方たちとの会談をされたんですもんね。アキラさんって意外に凄いですよね。」
マヒル
「全然見た目ではわからないけど、世界的な商人なんだもんね。」
誉められてるのかな??
翌日。
3人で街を散策。
異世界人トリオです。
新生ドバン王国の王都は歴史のある街並だ。街のつくりも伝統的。
のんびり街を眺めながら散策。
街は明確に分かれている。
貴族街、富裕街、平民街、貧民街。
まぁ、見て回るには富裕層向けのエリアがいいかな。平民向けのエリアは生活感が強め。
貴族街は僕らが歩くには違和感がある。
と言うか、馬車での移動が当たり前。
高級そうなカフェに入る。
スコーンと紅茶。
僕
「いまいちだね。」
マヒル
「アキラ君は美味しいものを食べ過ぎなのよ。普通でしょ。」
ヒナタ
「ちょっとパサパサしてるけど、こんなものでしょ。」
僕
「ジャムもいまいちじゃない?
果実感が弱いし。」
マヒル
「まぁ、飛び込みで良いお店に出会う可能性は低いよね。」
「申し訳ございません。」
いきなり声をかけられた。
声をかけてきたのはシェフだった。
マヒル
「す、すいません!
失礼なことを言って。」
シェフ
「いえいえ。
率直なご意見を頂けて良かったと思っています。
食糧事情が悪化して、以前仕入れていた食材が手に入らず、、、
試行錯誤をしているのですが、なかなか難しく。」
僕
「パエルモから仕入れます?
特に、最近ジャム工場が稼働し始めたから、美味しいジャムは手に入るかもしれませんよ。」
シェフ
「リズムリア王国の方でしたか。
確かに、あちらは小麦も良質ですし、食材も豊富だと聞いています。
仕入れルートがあるんですか?」
ヒナタ
「ちょうど昨日、王都のニールス商会に今話に出たジャムを含め、リズムリア王国の食材を納品しました。
よろしければ問合せしてみてください。」
シェフ
「ニールス商会なら付き合いがあります。
早速問合せしてみますよ。」
ヒナタ
「是非。」
ヒナタさんの営業スマイル。
慣れたもんだね。
カフェを出た後。
僕
「なんか、変な話になっちゃいましたね。」
ヒナタ
「新生ドバン王国は魔族による攻撃を受けてはいませんが、その少し前まで大きな戦争をしていましたから、食糧事情は決して良くないんですよ。」
マヒル
「コーラル商会としては商売のチャンスって感じ。うちに限らず、新生ドバン王国は周辺国の商人にとっては最も熱いエリアかな。」
僕
「へ~、そうなんだ。
マヒルさんも詳しいですね。」
ヒナタ
「マヒルさんは元々護衛として雇用されましたけど、最近は商売も勉強して、商談にも参加したりしているんですよ。
ガロッソ会長からの評価も高いんですよ。」
僕
「そうなんだ。
すごいね。」
マヒル
「まだ勉強中だけどね。
元々、前の世界じゃあ、営業職になるために就活中だったからね。
少しはやってみたいじゃない。」
ヒナタさんもマヒルさんもなんか馴染んでるね。この世界に来て日数が経ってるのもあるけど、それぞれにこの世界の生活を精一杯生きているって感じがするね。
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