カミラの扱い
パエルモ
「元々、カミラ嬢は才色兼備の女性として評判だった。誰と婚約するのかが注目されるような存在でな。
結局、南部の大物貴族の息子と婚約をした。
当時としては無難な選択をしたという印象だった。
しかし、前の無謀騒動で粛清されてしまった為に、婚約が破棄されることになった。
ベルフォーム伯爵家に見合うような貴族の息子は既に婚約をしてしまっており、なかなか相手が見つからない状態になっていた。
その上、アキラとの縁談も失敗。
ベルフォーム卿も焦って、かなり格下か、条件の悪い縁談を進めようとしたのではないか。」
僕
「貴族って大変ですね。
じゃあ、カミラさんの話は信用出来るってことですか?」
パエルモ
「十中八九な。
ただ、カミラ嬢は頭が良い。
信用を得るために、今のストーリーを作ったとも考えられる。
ベルフォーム卿の方が凡庸だ。
その周辺を調べる方が真実はわかりやすいだろうな。」
僕
「どちらにしろ、ベルフォームに行く用事があるので、調べてみます。」
パエルモ
「まぁ、よほどのことがない限り、カミラ嬢の扱いを決める時に私のことは気にしなくてもいいからな。」
僕
「ありがとうございます。」
その後、
多少の話をしてパエルモ伯爵邸を出た。
そのままベルフォームへ向けて出発。
夕方。
ベルフォームにあるクラリネ商会を訪問。
ベルフォームの商人は何人か出資をしているけど、クラリネ商会のオルネさんが一番フランクに話しやすい。
オルネ
「今日はどうしたの?」
僕
「ちょっと商売のことで相談があって。」
オルネ
「へぇ、珍しいわね。
何があったの?」
僕
「長期保存できる魚の加工品を作りたいんだ。」
オルネ
「干物とかってこと?」
僕
「いや、味噌とか糠とかに漬けて保存性を高めるんだよ。」
オルネ
「それって美味しいの?」
僕
「う~ん、
美味しく出来るように研究中って感じ。」
オルネ
「じゃあ、その研究を手伝えばいいの?」
僕
「研究は僕のお店でやるから、製造工場を作って運営するのを手伝ってほしいんだ。」
オルネ
「・・・研究の成功率はどれぐらい?」
僕
「7、8割かな。たぶんだけど。」
オルネ
「どれぐらいの販売規模を考えてる?」
僕
「新生ドバン王国の王都に十分供給出来るぐらいだから、かなりの量になるかな。」
オルネ
「販路は目処がついてるってこと?」
僕
「カルマール王と話をしているから、美味しく仕上がれば、問題なく売れると思うんだけどね。」
オルネ
「なっ!?
さすがAランク商人、、、
商売の相手が大物過ぎて心臓に悪いわね。
とりあえず、場所と人を手配したらいいの?
でも、人は少し早いかな?」
僕
「そうだな~、
とりあえず、港に近い場所の確保をお願い。
それと魚の扱いに慣れた人も。
魚をさばいたりは必要になると思うし。」
オルネ
「わかったわ。
場所はピックアップしておくわね。
人に関しては今の段階だと情報収集ぐらいかしら。もう少し進んで人数とかが具体的になったら、すぐに雇えるように準備を進めておくわ。
それと予算はどの程度?」
僕
「う~ん、
具体的には考えてなかったな~。
とりあえず、10億ウォンカぐらいならすぐに用意出来ると思うよ。」
オルネ
「・・・魚の加工工場に10億ウォンカは絶対に必要ないわ。
こっちで適当に試算しておくから、試算が出来たら渡すよ。」
僕
「ありがとう。
助かるよ。
とりあえずはそんなとこかな。
あっ、そうだ。」
オルネ
「ん?
どうしたの?」
僕
「ベルフォーム伯爵家で最近なんか動きあった?」
オルネ
「カミラ様のこと?」
僕
「カミラ様、何かあったの?」
オルネ
「まだ一部で噂になっているだけなんだけど、カミラ様がオチョロイ伯爵の息子との縁談を蹴って、家を飛び出したそうよ。」
僕
「そうなんだ~。」
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