来客
僕
「ただいま~。」
みんな
「「「おかえりなさい。」」」
ようやく満腹亭に帰ってきました。
新生ドバン王国を出発した後、ダンジョンマップを使って転移。
そして高速飛行。
目的の街に到着したら話は速かった。
必要なことは皇帝レズン様からもらった書状にすべて書いてくれていたみたい。
僕は指定された倉庫に指定された食糧を出すだけ。それが終わると、後は間違いがないかを役人がチェックして終了。
新生ドバン王国を出発した翌日には完了しました。
満腹亭に帰ってきたのは昼過ぎ。
もう食券の販売は終了し、今いるお客さんが帰れば本日の営業は終了だ。
もうすぐ終わりとは言え、まだ営業中。
みんなは働いているので、ゆっくり話をすることは出来ない。
お店が終わって、片付けが一区切りついたぐらいにみんなのところに行こう。
それまでは荷物の整理をして、少しゆっくりしよう。今回は気持ち的に疲れたからね。
なにせ、王様とか皇帝とか、この世界のトップクラスに偉い人たちに囲まれてんだよ。さすがにしんどいよ。
・
・
・
アリエッタ
「アキラ君、
お客さんだよ。」
居眠りしてたみたい。
アリエッタさんが起こしてくれた。
僕
「ん?
誰だろ?」
アリエッタ
「前にマヒルたちと一緒に来た、男の人。
えっと、、、マサキだっけ?」
僕
「ああ。
アカツキ王国から帰ってたのか。」
僕はそう言いながら起き上がり、アリエッタさんと一緒に下に降りた。
満腹亭はもうお客さんもおらず、
マサキとマイの2人が座っていた。
僕
「ごめん、待たせたみたいだね。」
マサキ
「いや、俺たちが急に来たんだ。
忙しいところ、すまない。」
僕
「アカツキ王国から帰ってきたんだね。
どうだった?」
マサキはアカツキ王国での出来事を教えてくれた。
占い師のアイコのこと、
ヒロキが商人として成功してたこと、
クラスメートはセントラル大陸にいること、
そして、、、
マサキ
「マイのお腹の中に赤ちゃんがいるんだ。」
僕
「えっ!?
そうなの。
おめでとう!」
マイ
「ありがとう。」
大事そうにお腹を撫でるマイ。
僕
「これからどうするの?」
マイ
「私が動ける間にフラメル王国のヒルギスに行くつもりよ。」
僕
「そっか。
あそこならダンジョンがあるから稼げるもんね。」
マイ
「ええ。
ヒルギスで産むつもり。」
僕
「そうだ。
まだ気が早いけど、、、」
僕はマジックバックから僕が開発した特製オムツを取り出す。
マイ
「それは?」
僕
「特殊なオムツだよ。
この世界では、まだ紙オムツがないんだ。
だから、基本は布オムツ。
でも布オムツだと、すぐにベッドまで濡れちゃうから洗濯が大変なんだ。
でも、このオムツは紙オムツのような吸水性を持ちながら、布オムツのように洗って何度も使えるんだよ。」
マイ
「へ~、すごいのね。」
僕
「まだ出産前に渡すのは早いとは思うんだけど、次、いつ会えるかわからないからね。」
僕は特製オムツを3つ渡した。
マイ
「助かるわ!
ありがとう。」
僕
「あと、これも。」
小さな小瓶を渡す。
マイ
「これは?」
僕
「赤ちゃんの肌かぶれに効くクリーム。」
マイ
「そんなのもあるのね。
色々もらって、ありがとうね。」
マサキ
「アキラ、ありがとう。」
まさか、妊娠とはね。
この世界の出産は喜びであると同時にリスクでもある。母子ともに命がけだ。
元の世界でも危険はあっただろうけど、この世界は医療設備も整っていない。
無事に元気な赤ちゃんを産んでほしいものだね。
僕
「これでマサキもパパになるのか。」
マサキ
「まだまだ実感はないけどね、、、」
高校の同級生がパパになる。
なかなかインパクトのあるニュースだね。
ただ、
ちょっと気になるのは2人の温度感。
マイに比べてマサキはハッピーオーラがない。喜びよりも戸惑いが勝ってるって感じ。
大丈夫なのかな、2人は?
まぁ、知らんけど。
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