食糧不足の問題
ドバン帝国の食糧不足は深刻だ。
氷焉のアルタイルの攻撃で田畑に甚大な被害が出た。
被害のなかった東部とは敵対中、
北部のスノーデン王国には穀倉地帯を取り戻されてしまった。
南部のジプート連邦とも関係は悪いし、そもそもジプート連邦は食糧自給率の低い国だ。
唯一関係性が良かった西部の小国群は、同様に氷焉のアルタイルの攻撃で被害を受けており、ドバン帝国を支援する余力はない。
今回の停戦合意が成立したことをきっかけに、食糧が豊かなリズムリア王国から食糧を買いたいというのが、ドバン帝国の本音だ。
まずは、リズムリア王国とドバン帝国の交渉だ。僕はその後。
エドワルド
「我が国で用意出来るのはこれだけだ。」
リズムリア王国の文官が目録を差し出した。
ドバン帝国側はそれを見て、
ドバン帝国側近
「少し価格設定が高過ぎませんか。」
エドワルド
「現在、ここに記載してある食糧は、バレティアに集めてある。
いつでも、スピーディーに食糧を送ることが出来るように無理をしたのだ。
それ相応の金がかかっている。
理解してもらいたい。」
パエルモ伯爵にがっぽり取られたからね。
そこにバレティアからドバン帝国までの運送コストや、リズムリア王国の利益を上乗せしているから、かなり高額になっているらしい。
ドバン帝国側近
「さすがにこの価格では買えません。」
エドワルド
「我々も暴利を得たい訳ではない。
最低限の必要コストを乗せているだけだ。
必要ないのであれば、買わなければいい。」
エドワルド王は余裕の笑顔をみせる。
ドバン帝国の側近たちは苦虫を潰したような顔をしている。
レズン
「エドワルド王、
食糧を用意して頂いたことには感謝する。
だが、我々も予算に限界がある。
先にアキラ氏との交渉を行わして頂きます。
それでも宜しいかな。」
エドワルド
「もちろんです。
ただ、今の状況を考えれば、どちらから購入してもあまり違いはないと思いますがね。」
セントラル大陸の東部から運ぶ以上、価格が上がるのは当然。
しかも、最もドバン帝国に近いパエルモ伯爵領の食糧はエドワルド王が確保している。
だからこその余裕の態度なのだ。
僕は前に出る。
どうしよう?
レズン
「まずは今回の会談に参加してくれたことに感謝する。
そして、西側の各国の窮地を救ったと言われるアキラ氏の力をお貸し頂きたい。」
僕
「あ、、はい。」
レズン
「まずは、
どの程度の物量を用意出来るか、
お教え頂けるか。」
僕
「えっと、こちらが一覧です。」
僕のところに文官が取りに来る。
受け取って中身をドバン帝国の人たちがチェックする。
待っている間は手持ち無沙汰だ。
レズン
「この量と価格に間違いはないのか?」
僕
「ええ。
さっきチェックしましたから。」
レズン
「これが真実ならば、全数購入したい。
何時なら運べる?」
僕
「どこに運ぶか次第ですけど、、、」
皇帝レズンが側近に地図を用意させる。
そして、
レズン
「この街に運んでもらいたい。
ここからなら、帝国中に運びやすい。」
交通の要所って感じの街を示してきた。
ダンジョンからは遠い。
まぁ、ダンジョンの付近はダンジョンで狩ったモンスターの肉で食糧を穴埋めできるから当然か。
僕
「う~ん、、、
1週間あれば。」
レズン
「なっ!?
1週間だと!
ここからだと魔動車でもたどり着くことが出来ないぞ。
本当なのか?」
僕
「まぁ、あの、一応、大丈夫です。」
ドバン帝国側近
「レズン陛下に嘘を申せば許さんぞ!」
え~、
なんか怒鳴られてるんだけど。
アーサー
「無礼な発言は止してもらおう。
アキラは私が最も信頼している人物の1人だ。出来ると言ったことはやる男だ。
それとも食糧が早く届くと迷惑なのかな。」
レズン
「部下が失礼した。
非礼を詫びよう。
後で書状を渡そう。
納品する際は書状を見せて、現場の指示に従ってほしい。」
僕
「承知しました。」
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