新生ドバン王国

あれから日は流れ。

エドワルド国王を中心とする一団は新生ドバン王国に向けてすぐに出発した。

アーサーさんも一緒です。


アーサーさんが鳥便で移動状況の連絡を何度か入れてくれた。

ほぼ予定通りに進んでいるみたい。


まぁ、遅れる訳にはいかないから、僕は前のりします。



新生ドバン王国は新しい国だけど、王都として使用している都市は古くからの大都市だ。

歴史が感じられる街並をしている。


僕は宿に泊まり、翌日来るリズムリア王国一行を待つことにした。

今回は従魔を4体連れてきている。

何が起こるかわからないからね。

ガウ、リン、ゲコ、ベル。

このメンバーが負けるような相手は早々いないと思っている。


ちなみに晩ごはんは

メインがチキンの香草焼き。

スープとパン、それに紫キャベツの酢漬け。

チキンはジューシー。

美味しかったです。

食糧不足という感じはしないかな。




翌日。

王都に向かう一団を見つけた。

数台の馬車とそれを警備する騎士たち。

なかなかの大所帯だね。


その中の1台にアーサーさんが乗っている。

あれだね。

僕は走行中の馬車に乗り込む。


アーサー

「遅れずによく来たな。

次からは走行中の馬車に勝手に飛び乗るのはやめてくれ。」


「次からは気をつけます。」


アーサー

「もうすぐ王都だ。

気を引き締めておけよ。

新生ドバン王国も決して信頼出来る相手ではないからな。」


「敵の敵、ってだけ?」


アーサー

「そういうことだ。」


「ゲコ、

アーサーさんの影に潜んでおいて。」


ゲコ

『承知。』


アーサー

「護衛か。

助かる。

今回は私の直轄の部下がいないからな。」


「護衛と監視の半々だよ。

ペネロペさんから、アーサーさんがおイタをしないように見張ってて、って言われているからね。」


アーサー

「こんな大事な会談の時に、くだらんことをするはずないだろ。」


僕たちがそんな話をしている最中に、ドバン王国の騎士たちが数騎、迎えにきていた。

リズムリア王国一行はドバン王国の騎士の先導に従って進んでいく。


街を横断して王宮へ。

王宮に到着すると僕らは馬車を降りて歩き始めた。

先頭をエドワルド王、そして側近たち。

僕とアーサーさんはその後ろ。

そして護衛の騎士たち。


僕らの到着を待っている人たちがいた。

カルマール王だ。

王様が出迎えに出てくるって、かなり破格の歓迎スタイルだよね。


カルマール

「エドワルド王よ。

ようこそお越しくださいました。

国王のカルマールです。

お会い出来る日を楽しみに待っておりました。」


エドワルド

「私も同感だ。

リズムリア王国と新生ドバン王国、

両国の国王が友好関係を確認しあうことは、非常に意味がある。」


うん。

友好的な挨拶を交わしている感じ。


挨拶を終えると、

カルマール王はアーサーさんのところに歩み寄った。


カルマール

「アーサー殿、

こうして再びお会い出来たことを心より嬉しく思う。

新生ドバン王国の今日があるのはアーサー殿のおかげと言っても過言ではない。」


カルマール王を含め、ドバン王国の方たち全員がアーサーさんに最敬礼をした。


アーサー

「頭をお上げください。

私はただエドワルド王のご指示に従っただけにございます。」


カルマール

「もちろんでございます。

アーサー殿を遣わせてくださったエドワルド王には感謝しかございません。

今日は歓迎の宴を用意しております。

長旅の疲れを癒し、

存分にお楽しみください。」


カルマール王はエドワルド王に宴会のお誘い。


エドワルド

「それは有難い。

楽しませて頂こう。」


その後、滞在中使う部屋に案内してくれた。

僕も個室です。

僕も今回はゲストの1人だからね。


「リン、

王宮内の警備をよろしく。

変な動きをしている人がいたら教えて。」


リン

『了解で~す。』


「ガウとベルは外側の警戒ね。」


ガウ

『わかった。』


ベル

『退屈な役目だな。

なんだったら、王座に座ってやろうか?

なっ!?』


ガウがベルの首根っこを咥えて走り出した。


ベル

『や、やめんか~!』

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