決断
僕
「スー、ハー、スー、ハー」
とりあえず気持ちを落ち着けよう。
いきなりの縁談に頭がパニック状態だ。
深呼吸をして、脳に酸素を送り込む。
僕
「・・・申し訳ございません。
お断り致します。」
ベルフォーム
「なっ!?
正気か!
我が娘との縁談を断ると言うのか!」
僕
「・・・はい。」
ベルフォーム
「不愉快だ!
出ていけ!」
仕方ないよね。
僕が出口に向かって歩こうとすると、
カミラ
「お待ちください!
理由を!
断られた理由をお聞かせ頂けませんか!」
僕は立ち止まり、
僕
「すいません。
こんな大事な話をこの場で即決させようとする姿勢が気に入りませんでした。
もちろん、落ち着いて考えて、どう判断したかはわかりませんけど。」
ベルフォーム
「何を悩む必要がある!
カミラは貴様にはもったいないほどの存在だぞ!」
僕
「その横柄な考え方が気に入らないんです。
あなたの提案は了承して当然、
そんな気持ちが見え透いているからお断りしたんです。」
ベルフォーム
「なんだと!」
カミラ
「ご迷惑をおかけしました。」
頭を下げるカミラさん。
これ以上、ここにいても話がこじれそうなので、早々に立ち去ろう。
ベルフォーム伯爵邸を出て、リターンポイントで帰宅。
アリエッタ
「おかえりなさ~い。
どうだった?」
僕
「大変だったんだよ~。
聞いてくれる。」
ベルフォームでの出来事を報告。
フィオ
「お疲れさまでした。」
マユラ
「まさか結婚の申し込みとはね。」
リィズ
「大変でしたね。」
ルーシュ
「ベルフォーム伯爵はかなり踏み込んできましたね。」
僕
「勢いで断っちゃったけど、大丈夫かな?」
アイラ
「とりあえずパエルモ伯爵には報告しておいた方がいいんじゃないか。」
ルーシュ
「そうですね。
多分、大丈夫だとは思いますけど、
パエルモ伯爵には報告しておくべきですね。」
僕
「わかった。」
ルーシュ
「ベルフォーム伯爵は腹は立てているでしょうけど、それで何か具体的な敵対行為をしてくるとは思えません。
なにせ、商人相手に縁談を申し込んで断られたという話が広まるのは、ベルフォーム伯爵としても避けたいところでしょうから。
それに下手に敵対するにはアキラ様は相手が悪過ぎます。
下手をすれば返り討ちの危険性がありますからね。」
僕
「ベルフォーム伯爵が冷静に対応してくれたらいいんだけど。
とりあえず、着替えたらパエルモ伯爵のところに顔を出してくるよ。」
その日のうちにパエルモ伯爵邸へ。
パエルモ
「ベルフォームも思い切ったことを考えるな。」
僕
「恨まれたり襲われたりしないですよね?」
パエルモ
「まぁ、心配はいらんだろう。
恨まれはするが、襲われはしないだろう。」
僕
「え~、
恨まれるんですか。」
パエルモ
「父親として、目の前で娘がフラれて腹を立てない訳がないだろう。」
僕
「でも、なんで、いきなり結婚って話になるんですか?」
パエルモ
「カミラ嬢は運悪く婚約破棄になったからな。あのランクの貴族の娘で、あの年齢で結婚相手が決まっていないのは異例の事態だ。
同年代の貴族はだいたい結婚相手が決まっているから、簡単には相手が見つからない。
それにカミラ嬢は聡明だと評判だったからな。だから、アキラに目をつけたんだろう。」
僕
「そういうことなんですね。
でも僕でいいんですか?」
パエルモ
「独身のAランク商人。
しかも私と懇意にしており、ベルフォームの商人にも絶大な影響力を持っている。
娘を使って親族に組む込むのは割と良い作戦だな。」
僕
「は~、そういうものですか。」
パエルモ
「もし、アキラがタチアナと結婚したいと言えばいつでもさせてやるぞ。」
僕
「えっ!?
冗談ですよね?」
パエルモ
「本気だ。
こういう話をアキラが嫌がるだろうと思ってしないだけだ。」
まさかのモテ期到来!?
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