ベルフォーム伯爵の書状
僕
「ルーシュさん、
ちょっと見て欲しいものがあるんだ。」
部屋をノックしながら声をかける。
ルーシュ
「どうされたんですか?」
ドアを開けたルーシュさんはパジャマ姿。
僕
「ベルフォーム伯爵の使者が来て、
この書状を渡してきたんだ。
どうしたらいいかな?」
ルーシュ
「その使者はどうされたんですか?」
僕
「今はディーンさんとロイズさんが対応してくれてる。」
ルーシュ
「なら大丈夫ですね。
では、書状を開けて読んでください。」
そう言えば、まだ開けてもいなかったね。
開けると、、、
パーティーへの招待状だ。
僕
「パーティーの招待状だね。」
僕は書状をルーシュさんに渡す。
ルーシュさんは書状を読み、
ルーシュ
「招待への感謝と参加の意を示す書状を書いて、使者の方にお渡ししましょう。」
僕
「パーティーって参加しないとダメなの?」
ルーシュ
「ちゃんと使者をたて、招待をしているのに、たいした理由もなくお断りするのは、もはや敵対行為と言えるレベルです。
ベルフォーム伯爵はリズムリア王国屈指の有力貴族。参加するのが無難かと思います。」
僕
「は~~~、
仕方ないか。」
ルーシュ
「私が文章を作りますので、それを清書してください。」
僕
「ありがとう。」
貴族の手紙ってルールが色々あるらしい。
僕には全然わからない。
こういう時、頼りになるのはルーシュさんだね。
手紙を仕上げて戻ると、
なんか、和気あいあいとお酒を飲みながら話をしている。
ディーン
「アキラ君、用意出来たかい?」
僕
「ええ。
お待たせしました。」
騎士
「いえいえ、
美味しい料理とお酒、それに楽しい話で時間を感じませんでしたよ。」
僕
「そう言って頂けると助かります。
こちらをベルフォーム伯爵にお渡し頂けますか。」
騎士
「承知致しました。」
騎士に作った書状を渡す。
受け取ると大事そうにしまう。
騎士
「ご丁寧な対応、有難うございました。」
そう言って騎士たちは帰っていった。
僕
「ディーンさん、
有難うございました。」
ディーン
「いやいや、
私はたいしたことはしていないよ。
美味しい料理とお酒があれば、誰でも楽しく過ごせるよ。」
ディーンさんって、本当に良い人だね。
ロイズ
「ベルフォーム伯爵からの書状についてはパエルモ伯爵に相談するんだよ。
貴族の社会については我々にはわからないからね。」
僕
「そうします。」
ディオン
「よし。
じゃあ、飲みなおすか。」
それからしばらくみんなで飲んで、その日はお開きとなった。
翌日。
ルーシュさんからも、パエルモ伯爵に相談するように言われた。
ルーシュ
「相手はこの国有数の大貴族です。
わざわざアキラ様をパーティーに招待する以上、狙いがあるはずです。
しっかりと準備しておくべきです。」
僕
「そうだね。
後で相談しに行ってくるよ。」
ということで、
パエルモ伯爵のお屋敷を訪問。
すぐに応接室に通された。
パエルモ
「アキラ、
まずはお礼を言わせてくれ。
フレデリカや冒険者にレッドドラゴンのブレスを防げる装備を貸してくれたそうだな。
おかげでワイバーンたちを後退させることが出来た。
有難う。」
僕
「役に立って良かったです。」
パエルモ
「それで、今日はどうしたんだ?」
僕
「ちょっと、相談したいことがありまして。
こちらを見て頂けませんか?」
僕は昨日渡された招待状をパエルモ伯爵に渡す。
パエルモ
「これはいつ渡されたんだ?」
僕
「昨日の夜にベルフォーム伯爵の騎士が使者として訪ねてきたんです。」
パエルモ
「それで、どう対応したんだ?」
僕
「断っちゃダメって言われたんで、
参加します、って返事の書状を渡しましたよ。」
パエルモ
「うむ。
その対応で問題ない。」
僕
「パーティーに招待するのは何か目的があるはずだから、伯爵に相談した方がいいって勧められて。」
パエルモ
「仲間に恵まれたな。」
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