祝勝会
一同
「「「かんぱ~い。」」」
ある日の夜。
満腹亭にて。
集まったのは、ロイズさん、ディオンさん、テオさん、ディーンさん。
先日のワイバーン、レッドドラゴン討伐の成功を祝い集まった。
外の居酒屋でも良かったんだけど、満腹亭の料理は美味しいし、お酒もストックはたくさんあることから、たまに閉店後の満腹亭で飲んだりはしている。
ロイズさんたちは律儀にお金を置いていく。
別にいらないんだけど、親しき仲にも礼儀あり、ってことらしい。
今回は中華をメインにしました。
旨辛麻婆豆腐を山盛り
それにエビチリ、油淋鶏、棒々鶏。
テオ
「アキラに貸してもらったマントとローブ。
あれがなかったら、かなりキツかったよ。
ありがとう。」
ディオン
「そんなに効果があったのか?」
テオ
「レッドドラゴンのブレスをくらってダメージゼロですよ。」
ロイズ
「相変わらず凄いアイテムを持ってますね。」
僕
「でもあのマントだと強い炎は防げないからね。」
ディオン
「レッドドラゴンのブレスが弱く聞こえるな。」
ディーン
「ワイバーンでも十分脅威になるモンスターですからね。」
ロイズ
「そう言えば騎士団は大丈夫だったんですか?ワイバーンの相手をしていたんですよね。」
ディーン
「重傷者は数名出ましたが、幸い死人は出ませんでした。
ただ、、、」
テオ
「ただ、どうしたんだ?」
ディーン
「フレデリカさんがまたレッドドラゴンと戦いたいと言って、騎士団の訓練をカタート山脈の頂上でやりたいって駄々をこねているんですよ。」
ディオン
「レッドドラゴン相手の訓練なんて洒落にならんな。」
テオ
「俺は一生、レッドドラゴンとは戦いたくないね。」
ディーン
「同感です。
私たちも必死で止めているんです。
でも、結局、フレデリカさんの訓練という名の大暴れの相手をさせられて、騎士団のみんなはボロボロですよ。」
ロイズ
「悲惨ですね。」
ディオン
「連れてきたの誰だよ。」
ディオンさんがニヤニヤしながら僕に言ってきた。知ってるくせに。
僕
「あっ、そうだ。
スノーデン王国のグエンさんと戦わそう。
うん、それがいいね。」
テオ
「誰なんだ、そのグエンさんって?」
僕
「スノーデン王国で強過ぎて武道会とかの参加も禁止されちゃった戦闘狂なんだ。
フレデリカさんとは気が合うんじゃない。」
ロイズ
「勝手に連れていってはダメですよ。
一度パエルモ伯爵に相談してみてはいかがですか?」
僕
「わかりました。」
こんな感じでくだらない話をしていると、
コンコンコン
ノックの音だ。
僕以外のお店の皆は上の階にいるからね。
僕が対応するしかない。
扉を開けると、2人組の男性。
僕
「すいません。
今、営業してる訳じゃないんですよ。」
男性
「店主のアキラ様に書状を持って参りました。アキラ様はいらっしゃいますか?」
僕
「僕がアキラです。」
男性
「失礼致しました。
こちらをお受け取りください。」
男性が手紙を差し出してきた。
差出人はベルフォーム伯爵。
どうしよう?
こういう時はどう対応したらいいの?
ロイズ
「まずは座って頂いて、
お茶でもお出しして、
その間にルーシュさんに相談してはいかがですか?」
僕
「なるほど。
では、こちらにお掛けください。
少々お待ちくださいね。」
ディーン
「アキラ君、使者のお相手は私がしておくから、書状への対応を優先すればいいよ。」
僕
「ディーンさん、ありがとうございます。」
ディーンさんに任せて、僕はルーシュさんのところへ。
ディーンさんはパエルモ伯爵に仕える騎士だからね。こういう使者の仕事もしたことがあるのかもしれない。
ディオンさんやテオさんは冒険者だから、礼儀作法なんかには疎い。ロイズさんはそつなくこなしそうだな。
少なくともディーンさんとロイズさんがいれば、僕が対応するより大丈夫な気がする。
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