レッドドラゴン討伐

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今回はテオ視点です。

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ブラックキャットのリーダー、テオ。


メンバーは、

槍使いのドッゴ、

斧使いのギャン、

弓とナイフのニック。


今回の主役は戦姫フレデリカである。

作戦は簡単だ。

俺とニックでレッドドラゴン1頭をフレデリカのところまで連れていく。

そして後は、フレデリカをサポートする。


フレデリカは近接ファイターだ。

レッドドラゴンが上空からブレスを吐かれると、なす術がない。

そうならないようにするのが俺たちの役目だ。

俺たちの攻撃力ではレッドドラゴンに致命傷は与えられないからな。




俺とニックがアキラから借りたマントを羽織る。どの程度の耐火性能かはわからない。

試したくもないけどね。


まずは1頭。

飛行している。


ニックに合図を送る。

頷いたニックが弓矢を放つ。


カーン

乾いた音とともに矢が鱗に弾かれる。

予想はしてたけど、ニックは軽くショックを受けているみたいだ。


だが、ショックを受けている余裕はない。

レッドドラゴンの鋭い目が俺たちを捉えている。


俺たちは一気に駆け出す。


レッドドラゴンが上空から追いかけてくる。


ヤバイ!


俺たちは横っ飛び。

俺たちがいた場所をブレスが焼き払う。


ブレスのモーションに入ったら要注意だな。

範囲が広過ぎる。

反応が遅れれば、逃げられない。


命がけの逃避行。

俺とニックがパーティーでは素早さが高い。

だが、レッドドラゴンの飛行速度の方が圧倒的に上だ。

地形を活かしながら、なんとか捕まらないように走り続ける。



その時、

上空に小さな影。


フレデリカだ。


ドコーーン!!

フレデリカの強烈な蹴りが炸裂。

レッドドラゴンが地面に叩きつけられる。


ギャン・ドッゴ

「「ウリャーーー!」」


地面に叩きつけられたレッドドラゴンに追撃をかける2人。


レッドドラゴン

「グギャァ」


フレデリカ

「オラッ!

オラッ!

オラッ!」


フレデリカの怒涛の三連撃。

苦しみ暴れるレッドドラゴン。

闇雲に振り回す尻尾も破壊力は十分だ。


なんとかフレデリカと距離を作り、上空に逃げようとするレッドドラゴン。

しかし、

俺、ギャン、ドッゴが背後を襲う。


俺たちを気にすると、

フレデリカが懐に飛び込む。


レッドドラゴンの顔をめがけて矢が襲う。

嫌がるレッドドラゴン。


メインアタッカーはフレデリカ。

その打撃は確実にレッドドラゴンのHPを削っていく。


レッドドラゴンを空に逃がさないように攻撃に切れ目を作らない。



フレデリカ

「これで終わりだ!!」


フレデリカの右フックがレッドドラゴンの顔を打ち抜く。


ドーーン

ついにレッドドラゴンの巨体が倒れた。



テオ

「殺ったのか?」


フレデリカ

「ああ。

なかなか楽しめたぞ。

もう1頭連れてきな。」


テオ

「わ、わかった。」


マジか、、、

これを何回もやるのか、、、

常人の感覚としては楽しい要素なんてどこにもない。

ただただ、キツイ。

一瞬のミスが命取りになる戦いだ。

だが、仕方ない。


テオ

「ニック、行くぞ。」


ニック

「わかった。」



フレデリカ

「今日はこれぐらいだな。」


俺たちは合計4頭のレッドドラゴンを倒した。

もう、フラフラだ。


スマートに倒せたのは1頭目だけ。

2頭目の時点でミスが出始めた。

と言うか、ミスったのは俺だ。

レッドドラゴンのブレスを避けきれずに炎に巻き込まれた。


しかし、ダメージはほぼゼロ。

アキラのマントのおかげだった。

それからは方針転換。

ブレスはマントで防御。

逆にブレスを吐いてくれるとレッドドラゴンを引き離せるチャンスになった。


もちろんローブを装備したフレデリカもブレスのダメージはなし。

レッドドラゴンもブレスが無効、直接攻撃しか効かないことを理解して、攻撃してくるから、フレデリカは更に戦いやすくなった。


最大の武器を無効化出来ても強敵であることには変わりはない。

気を抜けない攻防に疲れ果てた。


街に帰ったら旨い酒が飲みたいね。

アキラをお礼を兼ねて誘おう。

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