占いの結果

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今回もマサキ視点です。

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アイコのスキル『占い』は知りたいことを質問すると答えてくれるスキルだ。

その質問は現在、過去、未来を問わない。


結果だけを言えば、生きているクラスメートは24人。

マサキ、

バレティアで保護されている11人、

アキラ、

マイ、

これらのメンバーを除けば、残り10人。


多いのか、少いのか、微妙なところだ。

元々の数から考えれば、3分の1は死んでいるということだ。

この世界の奴隷としては高い生存率だろう。

やはり優れた職業の奴隷は『消耗品』ではなく、『貴重品』なのだ。


残り10人もすべての居場所がわかった訳ではない。


クラスメートは何人生きているか?

という質問の答えが24人だというだけで、

それが誰でどこにいるのかを全員確定させられた訳ではない。

名前や顔を思い出せずに占えなかったクラスメートもいたからだ。


占えたのは7人。

1人はアカツキ大陸にいた。

残り6人はセントラル大陸だった。




マサキ

「ありがとうございました。

何件も占って頂いて。」


アイコ

「それが商売だからね。

感謝されるようなことじゃないよ。」


マサキ

「それでも、です。

大変参考になりました。」


アイコ

「老婆心ながら、言わせてもらうよ。

私は商売柄、色々な人間を見てきたけど、あんたみたいな生き方は幸せになれないよ。

義務感?

正義感?

そんなものは捨てた方が幸せになれるよ。

誰もあんたを責めはしないよ。

顔も名前も思い出せないような相手の為に、自分の人生を棒に振るのかい?」


マサキ

「俺はこの世界に来てから何度も逃げ出してきた。でも、ようやく、それじゃダメなんだって気付いたんです。

そして、もう逃げないって決めたんです。

見て見ぬふりは自分を苦しめるだけです。

だから、苦しくても、やめません。」


アイコ

「そうかい、、、

私は他人だからね。

あんたの人生に深く関わるつもりもない。

あえて苦しい道を進みたいって言うなら止めはしないよ。

私はここで占いを続けるつもりだから、また知りたいことが出来たらここに来なさい。」


マサキ

「ありがとうございます。」





占いの館を出て、


マイ

「これからどうするの?」


マサキ

「まずはサカーイに行くよ。」


サカーイはアカツキ王国の大都市だ。

アイコさんの占いの結果、小沢裕貴がいるらしい。


小沢裕貴は元のクラスではマサキと同じグループにいた男子だ。

陽気なムードメーカー的な存在だった。


マイ

「路銀はあるけど、小沢君が奴隷だった場合、買い取るお金は足りないと思うけど。」


マサキ

「おそらくね。

その場合はまた稼ぐ必要があるけど、出来れば、状況を確認したいんだ。」


マイ

「わかった。

じゃあ、行きましょ。

・・・やっぱりクラスメート探しは続けるんだよね?」


マサキ

「ああ、俺の決意は変わらないよ。

もちろん、無理にマイに付き合ってくれとは言わないよ。

リズムリア王国に渡れば、一度百田先生のところにも顔を出すつもりだし、その時に百田先生たちに合流してもらっても問題ないからね。

俺のことは気にしなくていいから。」


マイ

「やっぱりね。

私も付き合うよ。

マサキの力になりたいの。

マサキってさ、

凄い強いし、頼りになるし、、、

でも危なっかしいところもあるからさ、

そういうところを私がサポートしたいの。

1人よりも2人の方が安心でしょ。」


マサキ

「マイ、、、

ありがとう。」


マイ

「ふふふ、お礼はなしよ。

そんなこと言い出したら奴隷から助けてくれたお礼を私が言い続けるからね。」


マサキ

「ふふふ、それは困るな。

それじゃお互いお礼はなしでいこう。」


サカーイはアカツキ王国中央の大都市。

北部にあるニノーヘからは遠い。

再び場所を乗り継いで行くしかない。


マサキたちは準備を整えて、出発するのであった。

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