別腹亭
リョーコ
「すべてを話すことはできないけど、
私たちはスノーデン王国の王都に向けて、凄まじいスピードで飛んでるわ。
そして、今日中に到着する予定だって聞いてる。」
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ
リョーコ
「満腹亭に素晴らしい食材が集まる理由の1つはこれね。
当然だけど、口外しちゃ、ダメよ。」
4人がかくかく頷く。
完全に頭がショートしている感じ。
・
・
・
空を飛んでいる間にリョーコさんが色々説明してくれた。
ただ、なんか、僕のことを『非常識の権化』って言ってたのは、ちょっとひどくない?
数時間あるからね。
だんだん、みんな落ち着いてきた。
僕
「そろそろ到着だよ。
さすがに街のど真ん中に空から降りるのは問題あるから、街の外に着陸して、歩いて街に入るからね。」
リョーコ
「街に入る手続きもAランク商人のアキラさんと一緒だからすぐに終わると思うわ。
町に入ればお店までもう少しよ。」
僕
「そうだ。
忘れてた。
みんな、これを着てね。」
みんなにコートを渡す。
僕
「今は、僕の魔法で寒くないようにしてあるけど、本当はすごく寒いからね。リズムリア王国と同じ格好だと凍死しちゃうよ。
地上に降りたら寒さを防いでいる魔法を解除するから、ちゃんと防寒してね。
このコートはプレゼント。
他の防寒具は給料で買ってね。」
みんながコートに袖を通していく。
リョーコ
「このコート、
たぶん高級品よ。
普通のコートだとこんなに温かくないわ。」
男性シェフ
「本当だ。
こんな肌触りの良い革は初めてです。」
地上に到着。
ふらい屋女子
「雪!」
女の子たちが楽しそうに雪を踏んで遊んでいる。パエルモだと雪を見ることもないからね。
僕
「じゃあ、街に入るよ。」
僕の案内でスノーデン王国の王都を歩いていく。案内出来るほど僕も詳しくないからね。
ただ店を目指して歩くだけ。
後で自力で詳しくなってください。
僕
「さぁ、もうすぐお店だよ。」
僕のお店が見えてくると、いかつい集団が店の前に集まっていた。
パン屋女性
「何あれ?」
4人がビビっている。
僕
「大丈夫だよ。
こんにちは。」
グエン
「久しぶりだな。
今日来る予定だと聞いたんでな。」
僕
「わざわざありがとうございます。
こちらの5人がここで働くメンバーです。」
リョーコ
「店長のリョーコです。
宜しくお願いします。」
軽く一礼するリョーコさん。
グエン
「この店の警備責任者のグエンだ。
私の弟子たちが順番に警備を請けもつ。
何かあれば、いつでも声をかけてくれ。」
僕
「警備態勢は問題無さそう?」
グエン
「問題無い。
軍隊でも襲ってこない限り大丈夫だろう。」
僕
「うちの大切な従業員だからね。
宜しくお願いします。
あちらの建物は詰所みたいな感じかな。
自由に使ってください。」
グエン
「すまない。
現場責任者はあなたになるのかな?」
リョーコ
「ええ。」
グエン
「後で警備態勢に関して打合せをしたい。
我々はあの建物にいるので、顔を出してもらえるか?」
リョーコ
「わかりました。
宜しくお願いします。」
グエンさんたちと別れて、僕らはお店に入った。
僕
「ようこそ、『別腹亭』へ。」
リョーコ
「『別腹亭』?」
僕
「そう。甘いものは別腹でしょ。」
リョーコ
「まぁ、アキラさんの系列店って分かりやすくていいかもね。
オシャレさは無いけど。」
僕
「本当は、
パティスリーリョーコとかも考えたんだけど、なかなか良いのが出てこなくて。
えいやっ!って感じで決めちゃった。」
リョーコ
「名前なんて後からついて来るものよ。
いずれ、洋菓子と言えば別腹亭って言われるようにしたいわね。」
僕
「リョーコさんとなら出来る気がします。」
リョーコ
「そうね。
やりましょ!
さぁ、明日からは開店に向けて忙しくなるわよ。
みんな、よろしくね!」
ようやく別腹亭のお店と人はそろった。
後はオープンに向けて突き進むだけだね。
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