選考結果
4人。
リョーコさんが選んだのは4人だった。
ふらい屋からは女性2人。
パン屋の若い女性職人1人。
レストランで働くシェフの男性1人。
この4人は満腹亭に連れてきて、今後の説明をすることになった。
4人を1つのテーブルに座らせる。
僕
「まずは、これから宜しくお願いします。
僕がオーナーのアキラです。
簡単なこれからの流れを説明しますね。」
4人が真面目な顔でうなずく。
僕
「みんなにはリョーコさんの下でスノーデン王国の新店で菓子作りをしてもらいます。
スノーデン王国までの移動や移動先の住居はちゃんと手配してあるから、安心してください。」
パン屋女性
「いつ頃出発になりそうですか?」
リョーコ
「来週ぐらいになりそうです。
移動手段はアキラさんが用意してくれるから、多少は荷物も持っていけると思うわ。」
僕
「僕のマジックバックに入れるから、個人の荷物ぐらいなら、どんだけあっても問題ないよ。」
リョーコ
「スノーデン王国で菓子作りの技術を身につけた後は独り立ちしてもらう予定だから、それも理解しててね。」
ふらい屋女子
「菓子作りの勉強は何年ぐらいの見込みでしょうか?」
リョーコ
「個人のセンスによるわね。
まぁ、2~3年ぐらいかしら。
技術を完成させるというよりも、ベースとして必要な技術を身につけた後は自分でどんどん腕を研いてもらうことになるわ。
だから、向上心のありそうなメンバーを選んだつもりなの。」
僕
「世界に菓子職人を増やすための取組なんだ。みんながある程度成長したら、2期生を採用して、という流れを続けるつもり。」
男性シェフ
「独立して店を出す場所はそちらから指定されるんですよね?」
僕
「ある程度ね。
でないと、パエルモ周辺に集中しちゃうでしょ。
卒業前にいくつかの候補地から選んでもらおうかなって考えています。」
リョーコ
「それと、、、
満腹亭関連には秘密がたくさんあるの。
私も驚くことがたくさんあったわ。
当然だけど、秘密は守ってね。
秘密をバラしていることがわかったら、それ相応のペナルティは受けてもらうから。」
4人がうなずく。
リョーコ
「1週間後の出発に向けて、
荷物の準備や世話になった人への挨拶なんかを終わらせておいてください。
私はだいたいはお店にいるから、何か質問があればいつでも来てください。」
これで選考会は終了。
今後、この4人の成長度合いを見ながら、次の募集をする予定。
まぁ、どれだけ早くても1年はないかな。
そして1週間後。
4人は満腹亭に再集合した。
リョーコ
「じゃあ、
大きな荷物はアキラさんに渡してください。
小さな手荷物だけになって。」
4人から荷物を受け取り、マジックバックに入れていく。
ふらい屋の女の子たちは珍しそうにまじまじと見ていた。僕の周囲には山ほどあるけど、本来は貴重品だからね。
ちなみに、リョーコさんの荷物は先に入れてある。
僕
「それじゃ、出発しようか。」
男性シェフ
「えっと、歩きですか?」
馬車がないことを不審がる。
僕
「馬車より速い方法を用意しているから安心して。」
パン屋女性
「魔動車ですか?」
僕
「残念、ハズレ。」
次の瞬間、景色が変わる。
一面の銀世界。
ツンドラ大陸のダンジョン前だ。
もちろん、結界で覆ってある。
寒くはない。
でないと、パエルモの服装だと、すぐに凍え死んでしまうからね。
パン屋女性
「えっ!?
何?
何が起きたの???」
男性シェフ
「雪?」
ふらい屋女子
「・・・スノーデン王国?」
僕
「スノーデン王国に近い場所ではあるよ。
とりあえず、移動しながら説明するね。」
結界が高度を上げて、一気に加速する。
雪を蹴散らしながら、猛スピードで飛んでいく。
ふらい屋女子
「え、えっ、ええっ!?」
パニック状態の4人。
リョーコ
「だから、
満腹亭は秘密が多いって言ったでしょ。
まだスノーデン王国の王都に到着するまで時間がかかるみたいだから、ゆっくり説明するわ。」
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