選考会
僕もベルフォーム関係のことだけをしている訳じゃないんだよね。
ちゃんとスノーデン王国の新店の準備も進めています。
今日はその選考会。
やはり、と言うべきかな。
応募者多数のため、街の外の空き地で一次面接を行うことになった。
仕切りはリョーコさんにお願いしました。
僕らはそのサポートって感じ。
まぁ、一緒に働いて、お菓子作りを教えるのはリョーコさんだからね。
たくさんの応募者の前にリョーコさんが立つ。そして、声をかけた。
リョーコ
「応募して頂き、有難うございます。
今回募集しているのはスノーデン王国で菓子職人として働いてもらう人材です。
もし、条件を勘違いされている方がいらっしゃいましたら、お帰りください。」
誰も帰ろうとしない。
リョーコ
「それでは皆さんに一次面接のやり方を説明致します。
かなり特殊な方法ですので、方法を聞いて、嫌だと思われた方はお帰りください。」
ざわざわざわざわざわざわざわざわざわざわ
応募者たちの間にざわめきが起こる。
リョーコ
「一次面接は面接です。
こちらの質問に応えてください。
ただし、面接を開始する前に奴隷の腕輪をはめて頂きます。
嘘をつけなくする制約がつけられています。それ以外には効果はありませんし、当然、面接が終了次第外します。
不愉快に感じられる方もいらっしゃると思いますが、ご理解をお願い致します。
今の説明を聞いて、帰りたいという方はお帰りください。」
1人、
また1人、
面接を辞退する応募者が出てきた。
他の商人のスパイとかだったのかもしれないし、単純に奴隷の腕輪に拒否反応があっただけかもしれない。
詮索しても仕方ないからね。
面接は3つのテーブルに分かれて行う。
それぞれ面接官を
リョーコさん、アイラさん、マユラさんが務める。
僕を含めた他のメンバーはサポートだ。
基本的に面接では、
応募した目的、
背後関係、
今までの経歴、
それを確認して終わりだ。
奴隷の腕輪の効果で嘘をつけなくなっているから、その発言をメモって、問題のある人をはじく。
それが一次面接の目的だ。
多少人数は減ったけど、それでも多い。
流れ作業のように質問をしていく。
応募者
「満腹亭のような美味しいお菓子が作れるようになれるなら、スノーデン王国でもどこでも行きます。」
応募者
「他のお店より圧倒的に待遇が良いんです。
そりゃ、応募しないと損でしょ。」
応募者
「○○商会から内部情報を調べるために来ました。」
・・・ん?
なんで奴隷の腕輪を使うことを説明した時に帰らなかったんだろう、って人もけっこういた。
なんとかなるって思ったのかな。
純粋にうちで働きたいって人に絞っていく。
今回は特に経験者じゃないとダメとかにはしていない。なにせ、誰もリョーコさんのような洋菓子作りの経験者なんて、ほぼいないからね。
二次選考は実技。
リョーコさんの作ったショートケーキのベースに自由に盛り付けをしてもらう。
果物とか生クリーム、チョコとか色々用意してある。
リョーコさんはセンスを見ているのかな?
なにせ、全員素人だから、抜群に上手いってことはない。
でもバランス感覚の良さとかを見ているのかな。それは見た目もあるし、味もあると思う。
リョーコさんが選考して、合否を決めていく。けっこう絞れたね。
そして、最後はリョーコさんと面談。
なにせ、毎日顔を合わせて一緒に働くんだから、波長が合う人を選びたいだろうね。
僕は一応オーナーなんだけど、ノータッチで決まっていく感じ。
リョーコさん、誰を選ぶのかな~。
まぁ、問題のある人は除外してあるから、誰を選んでも問題ないんだけどね。
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