小芝居

ペネロペ

「こ、怖いわ、、、」


ペネロペ様、ノリノリで演技してるよ。


いかつい男

「へへへ、

怖がる必要はねえよ。」


いかつい男

「俺たちと楽しいことをするだけだからな。」


下品な笑顔の男がペネロペ様に近寄る。


パーン!


ペネロペ様がいきなりビンタした。


いかつい男

「なっ!?

てめえ!」


ペネロペ

「アキラ様、

後はお願い致します。」


激昂した男がペネロペ様に殴りかかる。

ペネロペ様には僕が結界を張っている。


ガン!


いかつい男

「い、痛ぇ!?」


いかつい男が拳を見ながら、目を白黒させている。状況が理解出来ないらしい。


その男を含め、3人を気絶させる。

あっという間に仲間が倒れていくのを見て、


いかつい男

「な、なんなんだ!?」


動揺している男たちを軽く風で吹き飛ばす。

そして、気絶させた3人を馬車に放り込む。


ペネロペ

「さぁ、馬車を出してください。

ベルフォーム卿の屋敷を目指しましょう。」


御者

「承知致しました。」


馬車の中には転がる男が3人。

さすがに狭そうだね。

でもペネロペ様と侍女(本物)、侍女(偽物)は他に乗る場所がないからね。





馬車は特に問題もなく、ベルフォーム卿の屋敷に到着した。


夜更けにやって来た謎の馬車。

屋敷の衛兵が駆け寄ってきた。


衛兵

「こんな時間に何用だ。」


馬車からペネロペ様が降りる。

その所作はとても優雅だ。


ペネロペ

「夜分に申し訳ございません。

私、

国王陛下の弟、

アーサー様の妻、

ペネロペと申します。

ベルフォーム卿に火急のお願いがあり、失礼を承知で参りました。」


衛兵

「ぺ、ペネロペ様!?

た、大変失礼致しました!

いらっしゃったことをすぐに伝えて参りますので、少しだけお待ち頂けませんでしょうか。」


衛兵があたふたしている。

そりゃ、王族がいきなり来たら慌てるよね。

衛兵の1人が走って奥に消えていく。


しばらく待つと、団体でやって来た。

先頭の立派な服を着ている人がベルフォーム卿かな?


ベルフォーム

「これは、これは、ペネロペ様。

ようこそお越しくださいました。

しかし、いったい何があったのですか?」


ペネロペ

「このように押しかけた非礼をお許しください。」


ベルフォーム

「お気になさらずに。

ペネロペ様のご来訪であればいつでも歓迎致しますよ。」


ペネロペ

「有難うございます。

実はお忍びでベルフォームに遊びに来ていたのですが、ハロイドファミリーを名乗る暴漢たちに襲われまして、、、

安全な場所で保護して頂きたく、こちらまで逃げて参りました。」


ベルフォーム

「なんと!?

・・・お怪我はございませんか?」


ハロイドファミリーの名前が出た瞬間、一瞬だけベルフォーム伯爵の顔が曇ったけど、すぐに元の心配する顔に戻った。

さすが貴族。表情を取り繕うのは得意だね。


ペネロペ

「大丈夫ですわ。

ご心配有難うございます。

護衛もいない訳ではございませんので。3人だけですが、暴漢も捕まえております。」


僕が捕まえていた男たちを馬車から放り投げる。



ベルフォーム

「それは大変でしょう。

まずは中へお入りください。」


ベルフォーム伯爵に促されて、僕たちはお屋敷に入っていく。

僕はペネロペ様の護衛として行動してます。


豪華な客室に案内され、


ベルフォーム

「狭い部屋ですが、ご自分の部屋のように自由に使ってください。」


ペネロペ

「有難うございます。

ここなら安心して眠れます。

でも、あのような輩が跋扈していてはベルフォーム卿も大変でしょう。

私の夫であるアーサー様に兵を率いて討伐してもらいましょうか?」


ベルフォーム

「ご心配には及びません。

我が精鋭が殲滅してきましょう。」


ペネロペ

「まぁ!

心強いですわ。

ベルフォーム卿の騎士団と言えばリズムリア王国でも有数の精鋭と伺っております。

どうか、私を襲ったハロイドファミリーをお捕まえください。」


ベルフォーム

「お任せください。

すぐに良いご報告が出来るでしょう。

もう夜も遅い時間です。

まずはお部屋でごゆっくりとお休みください。」


さてと、

ベルフォーム伯爵はどう動くのかな?

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