まだまだ暗躍
次はアカツキ王国だ。
さっそくアカツキ王国のデジーマへ移動する。満面亭に転移システムを組んでいるので、以前より簡単に行けるようになった。
ホンダ公爵のお屋敷を訪れると、いらっしゃるということで、ホンダ公爵の執務室まで案内してもらった。
ほぼ顔パス。
楽でいいね。
ホンダ
「アキラか、
よく来たな。
今日はどうしたんだ?」
僕
「少しご相談したいことがございまして。」
ホンダ
「ほう、珍しいな。
どうしたんだ?」
僕
「デジーマとベルフォーム間での交易に関して、商人を集めての商談会を開けないかな、と思いまして。」
ホンダ
「商談会?
面白そうだな。
狙いを教えてくれないか?」
僕
「今、ベルフォームではテスイラ商会というところがリズムリア王国側では最大の仕入先となっています。
ですが、他の商人たちももっと仕入れたいと狙っているんです。
でも、商談をする機会がなくて、結局仕入れ額を増やせないでいます。
そこで、デジーマの商人とベルフォームの商人を集めて商談会を開くんです。
そうすれば、お互いに取引の額を拡大出来るんじゃないかと思いまして。」
ホンダ
「なるほど。
面白い発想だ。
だが、食べ物にしか興味を示さなかったアキラが、こんな提案をしてくるのは意外だ。
何か理由があるのか?」
僕
「テスイラ商会が僕に嫌がらせをしてきたんだ。だから、僕も正々堂々、嫌がらせをしてやろうと思いまして。」
ホンダ
「なるほど。
確かに、そんな商談会を開けば新規業者が一気に増える可能性がある。
テスイラ商会にとっては厄介なことになるだろうな。」
僕
「どうですか?
デジーマの商人にとってもメリットはあると思うんですけど。」
ホンダ
「確かにメリットはある。
だが、メリットがあるのに今まで行わなかったのには理由があるんだよ。」
僕
「理由ですか。」
ホンダ
「航海の日数と危険性だ。
有意義な商談を行うには、それなりの立場の人間が行かなければならない。
しかし、そんな立場の人間に危険な航海をさせたくない。
そのため、航海するのは下っぱ。
商談をする能力も権限もほとんどない。
それが現状だ。」
僕
「じゃあ安全で速い移動手段があればいいのかな?」
ホンダ
「そうだな。」
僕
「じゃあ僕の従魔に往復の航海をサポートさせるよ。それなら安全だよ。
どれくらい速くなるかはわからないけど。」
ホンダ
「アキラの従魔が随行してくれるなら安全面は間違いないな。
よし、デジーマの商人たちに参加するように働きかけよう。
新しい取引はデジーマにとってもプラスになるだろうからな。」
僕
「有難うございます。
出発の日が決まったら教えてください。
従魔をスタンバイさせますから。」
ホンダ
「わかった。
良い結果が出ることを期待しているぞ。」
これはゲコに頑張ってもらおう。
ゲコがいれば野生のモンスターが襲ってきても大丈夫でしょ。
ホンダ公爵にお礼を言って、お屋敷を出ました。
次はコーラル商会。
お金を貸すにしても契約書を作らないといけない。
後でもめるのは嫌だからね。
でも、僕には契約書を作る技術はない。
なら、他の人に頼もう。
ということでコーラル商会に。
エミル
「じゃあ、私はアキラさんとクラリネ商会の契約書を作ればいいんですね。」
僕
「そう、そう。
僕には契約書作りなんか出来ないからね。」
エミル
「は~、
1千万ウォンカを融資する契約書。
重たいですよ。」
僕
「エミルさんなら契約書とかも慣れているでしょ?」
エミル
「契約書自体は慣れてはいますよ。
けど、ここまで大きな契約なんて、なかなか無いんですよ。」
僕
「それでも僕が提示した金額よりは少なくなっているんだよ。」
エミル
「クラリネ商会はCランクですよね。
1千万ウォンカの融資でも、相当の決断だったと思いますよ。
大勝負に出たって感じでしょうね。」
僕
「その大勝負には勝ってもらわないといけないからね。」
エミル
「はい。
書面は出来ましたよ。
ここにアキラさんの署名をして、
こちらに先方の署名をもらってください。
お金を渡すのは署名をもらってからにしてくださいね。」
僕
「ありがとう。」
さぁ、準備は出来たかな。
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