裏から手を回そう
オルネさんとの打合せは終了。
ニックさんたちも解放することにしました。
とりあえず、無事に僕の農場から帰ってきたってことで報告させる。
今後もザンキって人の指示に従い行動しながら、必要な情報はオルネさんにリークすることになっている。
さて、
今回は僕の力業で解決するのは封印だ。
ちゃんと商人らしく対応するよ。
ハロイドファミリーを排除するには、ベルフォーム伯爵にやってもらうのが一番手っ取り早い。
でも、両者は癒着しているらしいから、簡単には協力してくれないだろう。
なら、ベルフォーム伯爵を動かせる人に協力してもらえばいい。
ベルフォーム伯爵はリズムリア王国東部の大物貴族。その行動に口出し出来る人物は限られる。
僕
「・・・ということで協力お願いします。」
アーサー
「何が『ということで』だ。
あのな、私からベルフォーム卿に働きかけるのは容易ではないのだ。」
僕
「は~~~。
ケチですね。」
僕はアーサーさんの私室にお邪魔しました。
だって王弟だからね。大物貴族にだって強い影響力を持っているはず。
状況を簡単に説明して、協力をお願いしたら、断られてしまった。
アーサー
「あのな。
私が頼めば、確かにベルフォーム卿は協力してくれるだろう。
だが、私とベルフォーム卿が接近していることが国王の耳に入れば、かなり厄介なことになるんだ。
だから、容易に頼むことは出来ないんだ。」
僕
「厄介なことって、どういうことが起こるんですか?」
ペネロペ
「アーサー様は西部のパエルモ卿やセージ団長と仲が良いと思われています。
そのアーサー様が東部の大物と接近したとなれば、謀反を企てていると邪推されてしまうのです。
なので、アーサー様は動けないのです。
決して本人がケチで恩知らずで器が小さい訳ではないんですよ。」
アーサー
「ペネロペ。
恩知らずとも、器が小さいとも、言われてないぞ。」
じと目で見るアーサーさん。
僕
「ダメか~。
アーサーさんならいけると思ったんだけどな~。」
ペネロペ
「アキラ様、
私に作戦があります。
任せて頂けませんか?」
僕
「さすが、ペネロペ様。
頼りになるな~。」
アーサーさんをチラッと見る。
アーサー
「なんだ。
私には立場やしがらみが色々あるんだ。
で、何をするつもりなんだ?」
ペネロペ
「私がお忍びでベルフォームに旅行に行って、そのハロイドファミリーという連中に襲われればいいんじゃないですか。」
アーサー
「それは危険だろう。」
ペネロペ
「アキラ様が護衛を用意してくだされば、なんの問題もございませんわ。」
僕
「それは大丈夫ですよ。
僕の従魔を忍ばせておけば、ドラゴン100頭に襲われても、傷1つつかないですから。」
ペネロペ
「でしょ。
私を襲った組織を見逃すほどベルフォーム卿は愚かではないでしょう。」
アーサー
「だが、ベルフォームは遠いぞ。
向こうでの滞在日数も考えると、そこまで長期間王宮を留守には出来んぞ。」
僕
「王都とベルフォームの往復の移動は僕がサポートしますよ。」
ペネロペ
「これで決まりね。
スケジュールの調整と旅行の準備を致しますから、3日後の朝に来てくださいますか。」
僕
「わかりました。
お迎えにあがります。
馬車に旅行の準備を積み込んでおいてください。馬車ごと運びますから。」
ペネロペ
「あら、馬車ごと。
それは助かりますわ~。
お金持ちの道楽風に装えますわ。
ハロイドファミリーを釣り上げるため頑張らないと。」
ニコニコと楽しそうに何を持っていくかを考え始めるペネロペ様。
アーサー
「楽しそうだな。」
ペネロペ
「それはそうですわ。
お金持ちの道楽娘が楽しんでいるように見せないといけないですもの。
楽しそうにしていないと不自然でしょ。」
アーサー
「それはベルフォームに着いてからでいいのではないか?」
ペネロペ
「しっかり気持ちを作っておかないと。
いきなり演技なんて、
私には出来ないもの。」
ペネロペ様なら出来る気がするけど、、、
まぁ、準備完了かな。
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