怒ってます
怪我人の治療を終えて。
動ける人は全員を集めてもらいました。
僕
「ごめんなさい。
今回の侵入者の狙いは僕だったみたい。
僕のせいでケガをさせてしまって。」
男
「何をおっしゃっているんですか!
アキラ様のおかげでケガは全員癒えています。」
女
「そうです。
悪いのは暴れた連中で、アキラ様は何も悪くありません。」
女
「私たちが感謝することはあっても、アキラ様が謝ることは何もありません。」
僕
「ありがとう。
そう言ってくれると助かるよ。
でも、ここの警備体制が弛かったのは事実なんだ。こんな山奥まで誰も来ないだろうって油断してたからね。
今、僕の従魔が他に潜んでいないか、周辺の山中を調べています。
それと、このハナが当面、ここの警備をします。みんなにはコハナの親って言った方がわかりやすいかな。
かなり強いから万が一の場合は頼って。」
ハナをみんなに紹介する。
ペコリと頭を下げるハナ。
男
「このお嬢ちゃんが護衛ですか。
アキラ様がおっしゃるなら大丈夫だとは思うのですが、、、
コハナ様もやられましたし、、、」
僕
「大丈夫だよ。
ハナは強いから。
さっきの冒険者程度なら100人や200人ぐらい、サクッと倒せるよ。」
男
「えっ!?」
ハナが無言で力こぶを作る。
こぶは出てこないけど。
モルガン
「これからどうされますか?」
僕
「誰かの指示で動いているのは間違いない。
黒幕が誰で、狙いは何か。
事情聴取しないとね。」
ちなみに、
冒険者を捕まえた結界は音と光を遮断している。さすがに冒険者たちが見えるとみんなが不安がるだろうからね。
今は真っ暗な箱みたいになっている。
モルガン
「事情聴取はどうされますか?」
僕
「後で場所を移してから、僕が行うよ。
今回は僕もけっこう怒っているからね。
僕が何をするかは人に見せられないよ。」
僕がニヤリと笑う。
僕
「じゃあ、みんな、戻って。
それと、大怪我した後の人は体調に気をつけてね。回復薬を補充しておくから、不安があったらすぐに使って。
ケチったらダメだよ。」
僕はそう言い残して、みんなから離れていく。冒険者たちを捕まえた結界も僕の後ろをプカプカ浮いてついてくる。
モルガン
「あのアキラ様にケンカを売るなど正気の沙汰ではないな。
俺ならどれだけ金を積まれても、アキラ様に挑むようなことはしないな。」
・
・
・
僕は結界の音と光を回復させる。
冒険者風の男
「頼む! ここから出してくれ!」
僕
「出していいの?
足下を見てみなよ。」
冒険者風の男
「ひっ!?
なんなんだ??」
ここは実験農場から離れた山の上空。
落ちたら確実に死んじゃう高さに結界は浮いている。
僕
「状況はわかったかな。
君たちの生き残る道は僕の質問に素直に答えて、僕に地面まで降ろしてもらうしかないんだよ。」
冒険者風の男
「わ、わかった。
何でも答える。
だから、助けてくれ。」
僕
「これからの態度次第だね。
じゃあ自己紹介からいこうか。
君たちは何者だ?」
冒険者風の男
「俺たちは『くろがねの刃』という冒険者パーティーだ。
俺はそのリーダーのニックだ。」
僕
「僕のことを知ってたみたいだけど、誰の指示で動いてたの?」
ニック
「俺たちはテスイラ商会のお抱えだ。」
僕
「護衛には見えないけど。」
ニック
「商人のお抱えは護衛だけじゃない。
俺たちの仕事のメインはライバル商会などの情報収集や営業妨害だ。」
僕
「じゃあ、僕のことを調べてた訳か?」
ニック
「事業を急拡大している裏には何か資金源があると考えて、この山奥の土地に目をつけたんだ。」
僕
「ここはただの農場だよ。」
ニック
「設備は異常だが、そのようだな。
ここで非合法な薬物でも栽培しているのかと思ってたんだ。」
僕
「ここの人たちを斬りつけたのも僕への業務妨害が目的?」
ニック
「いや。
ここの周辺を調べていたらモンスターに襲われたんだ。小娘みたいなモンスターだ。」
コハナのことだな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます