モルガンの決意
モルガン
「ならば、俺が相手になろう。」
モルガンさんが一歩前に出る。
男
「モルガンさん、、、」
モルガン
「心配するな。
戦場に比べれば、たいしたことはない。」
男
「そうだな。
数は俺たちの方が多いんだ。」
冒険者風の男
「バカか。
数がいくらいても勝てるはずがないだろ。
俺たちは強いぞ。」
モルガン
「それがどうした!」
モルガンさんが鍬を振り上げながら駆ける。
冒険者風の男にむけて振り下ろすが簡単に剣で受け止められてしまう。
モルガン
「くそっ、
グハッ!?」
モルガンさんが冒険者風の男に蹴り飛ばされる。腹を抱えて倒れこむモルガンさん。
冒険者風の男
「どうやら死にたいらしいな。」
モルガン
「う、うぅ、、、」
モルガンさんは動こうにも動けない。
僕
「人の農場で何やってんの?」
モルガン
「ア、アキラ様、、、」
男
「アキラ様だ!
アキラ様がいらっしゃったぞ!」
冒険者風の男
「ほう、お前が商人のアキラか。
護衛もつけずに、こんな山奥まで来るなんて、無謀な男だな。」
僕
「何が目的なんだ?」
冒険者風の男
「お前が知る必要はない。
痛い目にあいたくなければ、大人しく俺たちに捕まりな。」
僕
「痛い目ね。」
モルガン
「アキラ様、申し訳ございません。」
ようやく喋れるようになったモルガンさん。
僕
「モルガンさん、大丈夫?」
モルガン
「蹴られただけです。問題ありません。」
僕
「良かった。」
モルガン
「ただ、負傷した者がたくさんいます。
重傷者もいるようです。
今、頂いた回復薬を使うように指示していますが、まだ被害の全容が掴めていません。」
僕
「わかった。
こいつらの相手は僕がしておくから、みんなで怪我人を探してきて。
連れて来られるなら、連れてきて。
動かせない状態なら、すぐに呼んで。」
モルガン
「わかりました。」
冒険者風の男
「おいおい、
俺たちを無視するんじゃねぇよ。」
僕
「僕が相手をしてあげるって言ったのが聞こえなかった?
さぁ、みんなは怪我人を探して。」
モルガン
「行くぞ、お前たち!」
男
「いいんですか?」
モルガン
「かまわん。
アキラ様が対応してくださるんだ。
万が一もない。」
冒険者風の男
「待って、っ!?」
モルガンさんたちを追いかけようとした冒険者風の男が結界に当たる。
冒険者風の男
「なんだ!?
これは、、、結界か?」
僕の結界をペタペタ触る冒険者風の男たち。
僕
「自由にさせる訳ないでしょ。」
冒険者風の男
「こんな結界など!」
冒険者風の男が剣を振り下ろす。
キーン
僕
「その程度の攻撃じゃあ、
傷1つつかないよ。」
カーン キーン カーン
冒険者風の男たちが攻撃を繰り返す。
でも、まったくのムダ。
僕
「その程度の攻撃だと、10年かかっても破壊出来ないよ。」
冒険者風の男
「バカな!
そんな結界などあり得ない!」
僕
「うるさいね。」
結界で音を遮断する。
結界の中で男たちがパクパクしているけど、声は届かない。
さて、
僕
「その火傷もあいつらにやられたの?」
男
「は、はい。
いきなり魔法を使ってきて、、、」
僕
「大変だったね。
こっちにおいで。」
火傷した男性に回復魔法をかける。
僕の回復魔法は特別だからね。
きれいに火傷が消えていき、跡形も残らない。
男
「す、凄い!
ありがとうございます!!」
僕
「これで大丈夫かな。」
すると遠くから、
男
「アキラ様~!
子どもが重傷です!」
僕
「わかった。」
呼ばれた方に行くと、一家全員斬られていた。幸いにも息はある。
殺すことよりも脅すことを目的に斬ったって感じかな。
女
「子どもを!
子どもの手当てを!」
自分も背中から血を流しているけど、子どもの治療を懇願してくる。
子どもは足を斬られて、大量に失血している。
父親かな。必死に布で押さえている。
その父親も脇腹から大量に血が出ている。
僕
「すぐに治療するから。」
全員に回復魔法をかける。
あっという間に傷口はふさがる。
僕
「これで大丈夫かな。
かなり血を失っていると思うから、無理はしないで。」
母親
「子どもは?」
父親
「大丈夫だ。
傷口はきれいに消えて、寝てるよ。」
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