カネキ屋

「さすがにわざわざ会いに来て見捨てるのはちょっとね。。。」


トードー

「わかりました。

では、

カネキ屋と話をつけに行きましょう。」


マサキ

「う、、、

すまない。

迷惑をかけてしまって。」


「まぁ、仕方ないよ。」


トードー

「参りますよ。」


トードーさん、僕、マサキの3人でカネキ屋というお店に向かった。


なかなかに儲かってそうだね。

大きなお店だ。

トードーさんが店先にいた店員を捕まえる。


トードー

「トードーだ。

店主はいるか?」


店員

「すぐに呼んで参ります。」


すると、恰幅のよいおじさんが出てきた。


店主

「これは、これは、トードー様。

本日はいかがなされました?」


トードー

「少し話がある。

よいか?」


店主

「もちろんでございます。

ささ、こちらへどうぞ。」


応接室に案内されて、

トードーさん、僕、マサキの順に座る。


トードー

「この男を知っているな。」


店主

「もちろんでございます。

借金を踏み倒そうと暴れた男です。」


マサキ

「それは!」


トードーさんが手でマサキを制止する。


トードー

「そうだ。

ただ、状況が変わってな。

この男がアキラ様の友人だったのだ。」


カネキ屋

「アキラ様?」


トードー

「話題の満面亭のオーナーだ。

ホンダ公爵閣下とも懇意にされており、閣下からはアキラ様のご要望には最大限、お応えしろと仰せつかっている。」


店主

「なんと。」


トードー

「私の言っている意味はわかるな。

この男と女奴隷を渡してもらいたい。」


店主

「もちろん、

そうしたいところなのですが、

ただ、契約がございますので。」


トードー

「お前の貸した額の2倍払う。

それで手を打て。

欲を出し過ぎるとすべてを失うぞ。」


店主

「・・・承知しました。」


トードー

「賢明な判断だ。

マサキ、この額なら支払えるな。」


マサキ

「はい。」


トードー

「では、この男と交わした契約書をすべて持ってこい。

支払いと同時にすべて破棄する。」


店主

「承知しました。」


そこからはトントン拍子に進んでいった。

マサキはほぼ全財産を失ったけど、石川さんを譲ってもらうことになった。




石川さんの準備を待っている間。


「トードーさん、

ありがとうございました。」


トードー

「カネキ屋も十分利益は出ていますからね。

簡単な交渉ですよ。」


マサキ

「ありがとうございました。」


トードーさんに頭を下げるマサキ。


トードー

「お礼ならアキラ様に言うのですね。

アキラ様がいらっしゃらなければ、あなたは間違いなく、一生を奴隷として終えることになっていましたからね。」


トードーさん、マサキには冷たいね。

いや、これが当たり前なのか。

トードーさんはホンダ公爵の側近。

たぶん、この街だとかなり偉い。

一介の冒険者が相手をしてもらえる立場じゃない。


マサキ

「アキラ、すまない。

アキラには助けられてばかりだ。

どれだけお礼を言っても足りないぐらいだ。

本当に、ありがとう。」


「僕はちょっと顔を出しただけだから。」


マサキ

「俺とアキラじゃ、地位が違うんだ。

アキラの言葉は状況を変えられる。

俺の言葉は誰にも届かない。」


トードー

「当然だ。

アキラ様はAランク商人。

その気になれば、各国の王族クラスにも直訴出来る。社会的地位が世界トップクラスだ。

アキラ様に懇意にして頂いていることを感謝するんだな。」


マサキ

「すごいな、アキラは。

それに比べて俺は。

何をやってもダメだ。

今回はうまくいくと思ったのに。。。」


「これからどうするの?」


マサキ

「俺は、、、

それでも諦めたくない。

ここで逃げ出したら、また昔の俺と同じになってしまう。

クラスメートを探すのは続けるつもりだ。」


「そっか。

偉いな、、、

頑張って。」


マサキ

「ありがとう。

まだ俺にも出来ることはあると思うんだ。

やれることはやってみるよ。」


トードー

「デジーマを離れるとアキラ様の御名前も効果はございません。

これからは慎重に行動することですね。」


マサキ

「肝に銘じます。」

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