強過ぎた男
アイラ
「お願い?」
グエン
「そうだ。
アイラよ、
私と戦ってほしい。」
アイラ
「断る。」
グエン
「頼む。
この通りだ。」
深々と頭を下げるグエンさん。
グエン
「私は強くなり過ぎた。
1対1で血のたぎるような戦いが出来なくなってしまった。
だが、ラウルを余裕で倒した、そなたとなら、最高の戦いが出来そうなのだ。」
アイラ
「お前の最高の戦いとやらに付き合う義理はない。」
グエン
「なら、
強引に戦う気にさせることになるが?」
後ろの弟子たちが武器に手をかける。
それに反応して、
うちのメンバーも武器を構える。
一触即発な雰囲気。
どうしようかな、、、
僕
「武器をおろして。」
グエン
「おまえは?」
僕
「アイラさんの雇用主だよ。」
グエン
「ならば、頼む。
アイラと戦わせてくれ。」
僕
「僕の要求を飲むなら、アイラさんに戦うように指示を出すよ。」
グエン
「本当か!
要求はなんだ?」
僕
「まず試合の形式は勝ち抜き戦。
双方2名が参加。
うちはアイラさんともう1人というかたちにする。
勝敗の判定方法はさっきの武闘大会に準ずる。
そして、僕らが勝ったら、今度、僕がスノーデン王国の王都と開くお店の警備や護衛をあなたたちに担当してもらう。
僕らは負けても何もなし。
戦ってあげた時点でそちらの目的は達成している訳だからね。
どうかな?」
グエン
「なるほど。。。
面白い。
良いだろう。
その条件、飲もう。」
アイラ
「いいのか?」
僕
「大丈夫、大丈夫。」
テレサ
「もう一人は私にやらせてください。」
セリス
「私の方が。」
テーイチ
「あんな野郎、俺がぶちのめしてやるぜ。」
僕
「先鋒は僕。大将がアイラさん。
いいね。」
アイラ
「アキラが出るのか!?」
僕
「スノーデン王国の護衛も確保出来るし、
さっさと終わらせたいからね。」
向こうはグエンさんが出てきた。
この人、ガウル国王と気が合いそうだね。
絶対戦闘狂だよ。
僕が前に進み出る。
グエン
「雇用主であるお前が出るのか?」
僕はメイスを手に持ち。
僕
「多少、腕には自信があってね。
始めましょうか。」
グエン
「後悔するなよ。」
僕
「もちろん。」
戦い方はラウルさんに似ている。
装備も同じ大きな大剣。
開始直後に強烈な一撃。
確かにラウルさんよりも速いし、威力もありそうだね。
でも、
遅い。
僕はグエンさんの攻撃にタイミングを合わせてメイスで大剣を叩く。
必殺の一撃が簡単に弾かれる。
それでも体勢を崩さず、返す刀で二擊目を狙ってくる。
でも、
僕が大剣を踏みつける。
グエンさんが剣を動かそうとするけど、ピクリとも動かない。
グエン
「なっ!?」
次の瞬間にはグエンさんの側頭部にメイスが添えられていた。
もちろん振り抜いてないよ。
そんなグロいシーンは見たくないからね。
グエン
「・・・参りました。」
ザワザワザワザワザワザワザワザワザワザワ
弟子たちがざわつく。
僕は足をどけて、メイスもしまった。
グエン
「完敗だ。
どうすれば勝てるのか想像すら出来ん。
私はどうやら、井の中の蛙も甚だしい男だったようだ。初めて遥かな高みを見た気がする。
もはや、2回戦は無意味だろう。
私の負けだ。
先ほど言っていた護衛の話、
引き受けよう。」
僕
「お店の物件探しはこれからだから、場所が決まったら伝えますね。」
グエン
「わかった。
私の道場に弟子の誰かはいるだろう。
この場にいる弟子たちも話を聞いているから、いつでも訪ねてくれ。」
僕
「ありがとうございます。
スノーデン王国一安全なお店になりそうで良かったです。」
グエン
「足止めをして悪かった。
今日の非礼を詫びたい。」
僕
「いえいえ。
良い話も出来たし、結果オーライです。
それじゃ僕たちは失礼しますね。」
グエンさんたちの姿が見えないところまで移動してから、リターンポイントで帰りました。
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